FOOD
鉄板×本格和食の新スタイル!〈鉄板焼き いわ倉〉。
September 2, 2017 | Food | casabrutus.com | photo_Kayoko Aoki text_Taeko Terao editor_Rie Nishikawa
お造りや煮物椀とともにコースに華を添えるのは、鉄板で焼き上げる鮎や穴子など、和食の旬を伝える魚。〈鉄板焼き いわ倉〉は割烹の新しいスタイルにチャレンジしている。
ジュ、ジュ〜。ついさっきまで水槽を泳いでいた鮎が鉄板の上で焼かれている。日本料理の職人の多くは、鮎をいかに上手に炭火で焼き上げるかに心を砕く。小ぶりのものなら頭をカリッと身をふっくら、仕上げられるよう工夫するのが腕の見せどころ。串を打って炭火で焼けば、串からも身に熱が伝わり、骨までおいしく火が通る。だが、ここは鉄板焼きで料理を出す割烹。炭火は使わない。
料理長、森藤崇(もりとう・たかし)は東京の湯島にある日本料理の名門で修業を積んでいる。
「何人もの元同僚から、鉄板でちゃんと鮎を焼けるの? と聞かれるんですよね。串を打って炭で焼くのすら難しいのに、鉄板で? と。確かに火が通りにくい頭と、早く火が入る身を鉄板で同時にベストの状態で焼くのは、すごく難しいんです。でも、せっかく鉄板で割烹をやるからには鉄板で焼かないと意味がないので」
「何人もの元同僚から、鉄板でちゃんと鮎を焼けるの? と聞かれるんですよね。串を打って炭で焼くのすら難しいのに、鉄板で? と。確かに火が通りにくい頭と、早く火が入る身を鉄板で同時にベストの状態で焼くのは、すごく難しいんです。でも、せっかく鉄板で割烹をやるからには鉄板で焼かないと意味がないので」
試行錯誤の末、鉄板の上に置いた小さな銅鍋で頭を素揚げし、鉄板で焼いた身と合わせて出すという結論にたどり着いた。徐々に色づき、キツネ色が最高潮に達した瞬間、鍋から取り出し、油を切って皿に。そこへ鉄板の上で熱を帯び、ふくらんだ身が合体する。カウンターで一部始終を見届け、パクリ。香ばしく揚がった頭はパリパリ、身はホクホクだ。
実は森藤、高校時代、地元の福島にある広島焼きの店でアルバイトをしていた。
「毎日、キャベツを千切りにしたり、仕込みから入って、鉄板カウンターでお好み焼きを焼いて、大人のお客さんを喜ばせて。すごく楽しかったんです。おかげさまで男子なのに家庭科の授業はひとり勝ちですしね。そのときからです。鉄板焼きに可能性を感じていたのは。鉄板、すごいぞって」
「毎日、キャベツを千切りにしたり、仕込みから入って、鉄板カウンターでお好み焼きを焼いて、大人のお客さんを喜ばせて。すごく楽しかったんです。おかげさまで男子なのに家庭科の授業はひとり勝ちですしね。そのときからです。鉄板焼きに可能性を感じていたのは。鉄板、すごいぞって」
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