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〈T.T〉が、東京初の展示を開催。菓子と日本茶のペアリングが楽しめる茶室〈然美〉も初出店!
December 18, 2024 | Food, Art, Design, Fashion | PR | photo_Makoto Ito text_Chisa Nishinoiri
京都・祇園の花見小路にひっそりと佇む総合芸術空間〈T.T〉。その2階にある茶室〈然美(さび)〉では、アーティスティックな菓子と日本茶のペアリングコース「茶菓懐石」を体験できる。このたび、いけばなの草月流とコラボレーションした茶室「竹窓の然美」(12月22日〜29日)を東京で開催するにあたって、あらためて京都の空間にお邪魔し、その魅力を改めて体験してきました。
〈T.T〉のデザイナー、創業者であり現代美術家としても活躍した故・髙橋大雅。多岐にわたる古物や、主に約100年前のアメリカやヨーロッパ衣服の蒐集家でもあり、過去の衣服を研究することでものづくりの意義を探究し続けた。その根底には、日本古来の美意識、日本人の精神性への深い理解と共感があったという。そんな彼が、自身の想いを具現化する場所として京都を選んだのは必然であったのかもしれない。祇園・花見小路に建つ数寄屋造りの町家を改修し、自身がデザインした服、建築、茶室、彫刻作品からなる「衣・食・住」すべてを体験できる総合芸術空間〈T.T〉をオープンさせたのは2021年12月のこと。1階には自身の彫刻作品や古美術などを展示するギャラリーと、〈T.T〉ブランドのブティック。そして2階にあるのが、完全予約制の立礼(りゅうれい)茶室〈然美〉だ。
明るく開放的な白漆喰の壁に囲まれた1階とは一転。2階は、京都の唐紙工房〈かみ添〉に特注したという黒い和紙が手貼りされた、まさに “陰翳礼讃” な空間が広がっている。
「茶道自体が総合芸術。インスタレーションのような室礼、パフォーミングアーツのように魅せる茶道の所作など、現代美術の観点で日本古来の美を再び甦らせ、茶の湯の世界を舞台芸術として見立てた」という空間は、高橋の世界観でもある「五感で味わう」ことをまさに体感できる場だ。
ちなみに「立礼」とは、畳の上ではなくテーブルと椅子を使ってお点前を行える茶席のこと。また茶道の一種として、急須などを用いて煎茶や玉露などの茶葉を用いる煎茶道もある。〈然美〉では、裏千家、両足院茶頭中山福太朗氏指導による抹茶道を基本に、それぞれの茶道へのリスペクトを込めたオリジナルの所作を貫いているという。「パフォーミングアーツのように魅せる茶道の所作」は、髙橋が考える日本古来の美意識の再解釈を体現したものと言えるのだろう。
明るく開放的な白漆喰の壁に囲まれた1階とは一転。2階は、京都の唐紙工房〈かみ添〉に特注したという黒い和紙が手貼りされた、まさに “陰翳礼讃” な空間が広がっている。
「茶道自体が総合芸術。インスタレーションのような室礼、パフォーミングアーツのように魅せる茶道の所作など、現代美術の観点で日本古来の美を再び甦らせ、茶の湯の世界を舞台芸術として見立てた」という空間は、高橋の世界観でもある「五感で味わう」ことをまさに体感できる場だ。
ちなみに「立礼」とは、畳の上ではなくテーブルと椅子を使ってお点前を行える茶席のこと。また茶道の一種として、急須などを用いて煎茶や玉露などの茶葉を用いる煎茶道もある。〈然美〉では、裏千家、両足院茶頭中山福太朗氏指導による抹茶道を基本に、それぞれの茶道へのリスペクトを込めたオリジナルの所作を貫いているという。「パフォーミングアーツのように魅せる茶道の所作」は、髙橋が考える日本古来の美意識の再解釈を体現したものと言えるのだろう。
「茶菓懐石」と名付けられたコースでは、5品の菓子と、日本茶とカクテルのドリンク5品のペアリングが楽しめる。お茶は、旨みが凝縮した水出しの玉露から、ほうじ茶、抹茶、ハーブやアルコールを使ったオリジナルカクテルまでと多彩だが、いずれもベースになるのは日本茶。ペアリングでは、オープン当初はオリジナルの和菓子を提供していたそうだが、現在はジャンルにとらわれない「和でも洋でもない、〈然美〉ならでは」の創作菓子が日本茶の味わいを引き立てる。菓子には旬のものを取り入れ、品書きは毎月替わるそうだが、開業以来、同じ菓子が二度出たことがないというから驚く。茶会における「一期一会」の心得が、ここでも徹底して貫かれている。
※写真はいずれも取材時の霜月のメニューです。
※写真はいずれも取材時の霜月のメニューです。
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