FOOD
北海道・美瑛の四季を味わう、たかはしよしこさんの小さな平屋のレストラン。
| Food, Travel | casabrutus.com | photo_Kei Maeda text_Tami Okano editor_Keiko Kusano
「春夏秋冬、美瑛の四季をまるごと楽しんでもらいたい」。万能調味料『エジプト塩』のつくり手として知られる料理家、たかはしよしこさんのレストラン〈SSAW BIEI〉が北海道・美瑛町にオープンして約3ヶ月。建物は、元教員住宅のリノベーション。北の大地の素材をふんだんに使った「ここにしかない一皿」が味わえる。
●森のなかに佇む、小さな平屋のレストラン。
北海道のほぼ中央に位置し、十勝岳連峰の裾野に広がる美瑛町は、美しい「丘のまち」として知られる。たかはしさんが美瑛に移住したのは2020年の春のこと。きっかけは、美瑛のその「美しい丘の風景」を一躍有名にした風景写真家、前田真三の写真館『拓真館』のリニューアル計画だった。前田真三は、たかはしさんの夫・前田景さんの祖父で、『拓真館』を含めた1万平米余りの広大な敷地を拠点に、家族の新たな生活がスタートした。
実は、かつてこの場所には小学校があった。『拓真館』は元体育館。白樺の木立が絵のように続く「白樺回廊」は、小学校の元校庭。「祖父たちが校庭だった場所に2500本の白樺を植え、30年かけて今の森になった」と景さんは話す。
レストラン〈SSAW BIEI〉の建物は、その「白樺回廊」のすぐ脇に残されていた元教員住宅のリノベーション。森のなかにひっそりと佇む、小さな平屋の、可愛らしいレストランだ。
レストラン〈SSAW BIEI〉の建物は、その「白樺回廊」のすぐ脇に残されていた元教員住宅のリノベーション。森のなかにひっそりと佇む、小さな平屋の、可愛らしいレストランだ。
●たかはしさんの好きなものをつめこんだ、第二の家。
内装設計は、設計事務所 imaの小林恭さんと小林マナさん。たかはしさんをよく知る小林夫妻からの提案は「よしこさんの好きなものを詰め込んだ、第二の家のような店」。壁や天井の明るいピンク色も顔の見えるオープンキッチンも小林夫妻の発案で、店に入ると、そのアットホームな雰囲気に心が和む。冬が長い北国の暮らしを彩る、明るく温もりのあるデザイン。imaのふたりが「北海道と気候風土が似ている北欧のデザインに詳しいことも頼りになった」とたかはしさん。
施工は美瑛の隣町、東川でセレクトショップ〈Less Higashikawa〉を営む浜辺令さんを中心に、地元の大工さんたちにお願いをした。リノベーションの計画がスタートしてから足かけ2年。一番苦心したのは、もともとあった薪ストーブの位置を動かせなかったことだというが、入ってすぐに薪ストーブが迎えてくれるというのも訪問者には嬉しい限り。
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