FOOD
小寺慶子のレストラン予報|渋谷〈すし 光琳〉
『カーサ ブルータス』2021年6月号より
May 19, 2021 | Food | RESTAURANT FORECAST | photo_Kayoko Aoki text_Keiko Kodera
お好み握りと多彩なつまみが食好きの心を掴むでしょう。
町場の鮨店の魅力は、ふらりと行けて握りでもつまみでも、好きなものをマイペースに楽しめるところにある。仕事がしっかりと行き届いていて大人が寛げる店となると数は限られるが、渋谷にオープンした〈すし 光琳〉はそうした条件を満たした “町寿司” の理想形といえる。
清々しい空気に包まれるカウンターのみの空間。ボードに書かれた一品料理は毛ガニの甲羅詰めやニタリクジラの刺身、茹でた空豆など、季節や仕入れによって25種前後が登場。握りはもちろん1貫からお好みで注文することができ、ネタによって80円から780円と明朗会計だ。
1〜2日寝かせた〆サバや、表面を炙って甘みを引き出した白イカ、鮪専門仲卸〈やま幸〉から仕入れる口どけのよい鮪を使った握りなど、ビジュアルからも職人の丁寧な仕事が伝わる。まろやかな酸味に仕上げた赤酢のシャリとネタのバランス感も上々で、その日の気分で組み立てを考えるのもまた楽しい。
願うことはただひとつ。どうか、予約が取れない店になりませんように。
清々しい空気に包まれるカウンターのみの空間。ボードに書かれた一品料理は毛ガニの甲羅詰めやニタリクジラの刺身、茹でた空豆など、季節や仕入れによって25種前後が登場。握りはもちろん1貫からお好みで注文することができ、ネタによって80円から780円と明朗会計だ。
1〜2日寝かせた〆サバや、表面を炙って甘みを引き出した白イカ、鮪専門仲卸〈やま幸〉から仕入れる口どけのよい鮪を使った握りなど、ビジュアルからも職人の丁寧な仕事が伝わる。まろやかな酸味に仕上げた赤酢のシャリとネタのバランス感も上々で、その日の気分で組み立てを考えるのもまた楽しい。
願うことはただひとつ。どうか、予約が取れない店になりませんように。
小寺慶子
こでらけいこ 肉を糧に生きる肉食系ライター。趣味は酒場の短冊メニューを眺めながら食べ物回文を考えること。「イカ剥いたらタイムかい?」(ネタ切れ中)。