FOOD
京のおやつと箸休め | 申餅。
| Food | a wall newspaper | photo: Kunihiro Fukumori text: Shoko Nishimura
世界文化遺産の下鴨神社と上賀茂神社にて
5月に行われる葵祭は京都三大祭りのひとつ。
今月はその葵祭にゆかり深い「申餅」をご紹介。
平安時代の華やかな公家の文化を今に伝える下鴨神社の葵祭。神社境内にある茶店〈さるや〉の申餅(さるもち)は葵祭中の申の日に食し、無事息災を願った故事に由来するお菓子。明治初年の法令制度化によって、販売も食す習慣も途絶えてしまっていたが、2010年に下鴨神社の宮司の口伝を頼りに和菓子屋〈宝泉堂〉が復元した。
小豆のゆで汁でついたお餅は見てのとおり品のいいピンク色。明け方の空に一瞬に見られる「はねず色」と呼ぶ薄あかね色を思わせ、命が誕生する瞬間を表す色と言われている。茶店では潔斎期間中の神官の飲み物で不老長寿の良薬とされてきた黒豆を炒って作られたお茶とのセットで提供。パワーと御利益をいただけそうだ。
小豆のゆで汁でついたお餅は見てのとおり品のいいピンク色。明け方の空に一瞬に見られる「はねず色」と呼ぶ薄あかね色を思わせ、命が誕生する瞬間を表す色と言われている。茶店では潔斎期間中の神官の飲み物で不老長寿の良薬とされてきた黒豆を炒って作られたお茶とのセットで提供。パワーと御利益をいただけそうだ。
さるや
下鴨神社参拝の折の休憩所。夏はかき氷、冬はぜんざいが楽しめる。●京都市左京区下鴨泉川町59下鴨神社あけ橋休憩処 TEL 090 6914 4300。10時~16時30分(神社の閉門時間により変わる)。無休。
西村晶子
関西在住ライター。京都を中心に料理や食文化を取材。四季折々の美味と食材を求め、この春は山菜を堪能。
