FOOD
山形の自然と共存する〈タケダワイナリー〉へ | 行くぜ、東北。
August 31, 2015 | Food, Travel | sponsored | photo_Tetsuya Ito text_Kei Sasaki editor_Akio Mitomi
創業から95年、山形県産のぶどうだけでワインづくりを行う〈タケダワイナリー〉。国内トップレベルのファインワインから、親しみやすいデイリーワインまで、高品質かつバラエティ豊かなラインアップが魅力です。
ほんの十数年前まで、輸入原料を使用した甘口の“みやげものワイン”が主流だった日本ワインだが、現在は醸造家自らが栽培したぶどうで本格的なワインを仕込むワイナリーが増えてきている。「良いワインは良いぶどうから」をモットーに、土づくりから始めるぶどう栽培、ワイン醸造を古くから続けてきた〈タケダワイナリー〉は、山形から、その流れを牽引してきた老舗ワイナリーだ。
〈タケダワイナリー〉の創業は1920(大正9)年。現在は5代目当主の岸平典子さんが、栽培・醸造責任者を務める。ぶどう畑や醸造所の周りを遊び場として育った岸平さんは1994年、父・武田重信さんの下で醸造家としてのキャリアをスタートさせた。
1970年代半ばにヨーロッパのワイン生産地を視察し、現地で使用されている醸造用機材の買い付けを行うなど、国内でいち早くヨーロッパ系ワイン専用品種でのワインづくりに乗り出した重信さんは、土壌の改良に取り組みながらカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ、シャルドネなどの品種を次々と植えて畑を広げていた。日当たりと水はけのよい東南向きの斜面に広がる自社畑は15ヘクタール。日本のワイナリーとしては稀有な規模だ。
1970年代半ばにヨーロッパのワイン生産地を視察し、現地で使用されている醸造用機材の買い付けを行うなど、国内でいち早くヨーロッパ系ワイン専用品種でのワインづくりに乗り出した重信さんは、土壌の改良に取り組みながらカベルネ・ソーヴィニヨンやメルロ、シャルドネなどの品種を次々と植えて畑を広げていた。日当たりと水はけのよい東南向きの斜面に広がる自社畑は15ヘクタール。日本のワイナリーとしては稀有な規模だ。
〈タケダワイナリー〉では30年前から自然農法(低農薬、無化学肥料)を実践している。夏場、下草が勢いよく生い茂るぶどう畑の景色はワイルドだが、それは畑の中に虫や微生物が共存する“自然のサイクル”が再現されている証し。
岸平さんが栽培・醸造責任者に就任してからは、一部の区画でルドルフ・シュタイナーが提唱したビオディナミも試験的に行っている。凝縮感のあるぶどうが収穫できるよう、春の誘引時に枝の長さを調整し、収穫前には摘果といって房を間引く作業を行う。収穫はすべて手摘み。除梗前にもういちど未熟果がないか人の目で確認し、適切な温度管理下で醸造が始まる。
岸平さんが栽培・醸造責任者に就任してからは、一部の区画でルドルフ・シュタイナーが提唱したビオディナミも試験的に行っている。凝縮感のあるぶどうが収穫できるよう、春の誘引時に枝の長さを調整し、収穫前には摘果といって房を間引く作業を行う。収穫はすべて手摘み。除梗前にもういちど未熟果がないか人の目で確認し、適切な温度管理下で醸造が始まる。
国内のワイナリーが次々と輸入原料に頼り始めた1970年代に、かたくなに「良いワインは良いぶどうから」というモットーを貫いた父・重信さんと、その意思を受け継ぐ岸平さん。山形県産ぶどう100パーセントでつくるバラエティ豊かなワインは、山形という土地のワイン産地としての可能性と、ぶどう栽培やワインづくりに携わる人々の誇りを広く伝える役目を果たしているのだ。