FASHION
フェンディと隈研吾による”小さな建築”。天然素材のバッグ&スニーカーがいよいよ発売に。
March 19, 2024 | Fashion, Architecture, Design | casabrutus.com | text_Mio Koumura
〈フェンディ〉と建築家・隈研吾によるアーキテクチュラルアクセサリー《フェンディ ケンゴ・クマ》。建築とファッションがクラフトマンシップと共鳴する、異色のコラボレーションが3月中旬にいよいよ発売を迎える。その中身を覗いてみよう!
モチーフとなったのは《ピーカブー》と《バゲット ソフト トランク》の2型のバッグと、《フェンディ フロー》スニーカーなど、〈フェンディ〉のアイコンたち。隈研吾が「フェンディのメンズデザインのシグネチャーを伝統的な日本の技法と素材で変化させました」と語るように、主な素材として日本が伝統的に折り紙や提灯、着物のディテールに用いてきた「和蘭紙」に着目した。
和蘭紙はコットンと樹皮繊維から作られるハイブリッドファブリックで、手すき紙を思わせる表情とドライでソフトな質感が特徴。“人工物を自然と一体化させる”という隈の哲学を感じさせる無垢な和蘭紙と〈フェンディ〉のデザインとが融合が、モダンな印象に仕上がっている。
和蘭紙はコットンと樹皮繊維から作られるハイブリッドファブリックで、手すき紙を思わせる表情とドライでソフトな質感が特徴。“人工物を自然と一体化させる”という隈の哲学を感じさせる無垢な和蘭紙と〈フェンディ〉のデザインとが融合が、モダンな印象に仕上がっている。
また、細い竹をイレギュラーに編み上げる「やたら編み」を彷彿とさせる強固な格子も象徴的なアプローチの一つ。「和蘭紙ピーカブー」の内側のフレームに取り入れられたほか、スニーカーの3Dソールの着想源にもなった。またスニーカーには、コルクのインソールやバイオベースの原料を用いた未染色の「FF」ロゴソールなど、細部に至るまで自然素材にこだわった。
〈フェンディ〉のメンズアーティスティック ディレクターのシルヴィア・フェンディが「自然主義建築の巨匠」と賞賛する隈研吾は、コレクションについて「自然とクラフトは、建築家そしてデザイナーとして私が生み出す作品の中心であり続けています。フェンディから依頼があったとき、それらがヒューマンスケールにおける小さなアーキテクチュラルプロジェクトであると考えました」と振り返る。まさに建築を生み出すように日伊の職人たちの交流と対話が実現させた《フェンディ ケンゴ・クマ》は建築ファンならずとも見逃せない逸品となるだろう。
アーキテクチュラルアクセサリー《フェンディ ケンゴ・クマ》、《ピーカブー》メイキング・ムービー。©Daniele La Malfa
隈研吾
くま けんご 1954年⽣まれ。1990年、隈研吾建築都市設計事務所設⽴。慶應義塾⼤学教授、東京⼤学教授を経て、現在、東京⼤学特別教授・名誉教授。40を超える国々でプロジェクトが進⾏中。⾃然と技術と⼈間の新しい関係を切り開く建築を提案。