FASHION
誕生から16年の〈メゾン マルジェラ〉表参道店が新コンセプトの路面店に。
August 16, 2023 | Fashion, Design | casabrutus.com | text_Mio Koumura editor_Keiko Kusano
2007年にオープンした〈メゾン マルジェラ〉の表参道店が、路面店へと生まれ変わった。表参道沿いの商業施設〈GYRE〉2階のショップを1階へと移し、面積を大幅に拡張。クリエイティブ・ディレクターのジョン・ガリアーノの新コンセプトにより姿を変えた、〈メゾン マルジェラ〉の都内最大店舗を覗いてみよう。
ジョン・ガリアーノが〈メゾン マルジェラ〉を引き継いだのは2014年のこと。翌年には名前を改め、メンズラインとウィメンズラインの垣根を撤廃するなど、ガリアーノのクリエイションと時代性を反映しながらメゾンの哲学を進化させてきた。ショップの新コンセプトは構想から実際のオープンを迎えるまでに約1年半もの期間をかけ、建築家のアンヌ・ホルトロップとともにメゾンの視覚的言語(コード)を建築として設計。ロンドンのブルトン・ストリートで始まり、その後パリのモンテーニュ通り、日本の大阪、中国の上海、今や世界120店舗が生まれ変わっている。
〈メゾン マルジェラ〉が表参道に店を構えて16年。新しくなった表参道店は外装から内装まで、主な素材として細孔を純白のエポキシ樹脂で埋めた大理石トラバーチンが贅沢に使用されている。ナチュラルなベージュ色の濃淡は、まるで木目模様のようで「トロンプルイユ」の想像を掻き立てる。また、路面沿いにお馴染みのナンバリングロゴを大きく掲げたのも、新生マルジェラらしいアプローチにうつる。
エントランスを入った中央エリアには、パリ本社にある鏡にちなんだ三連の鏡がそびえ立つ。こうした服を本質的な部分まで削ぎ落としていく「デコルティケ」のコードから生み出されたデザインは、ディスプレイテーブル、什器にも見つけることができ、店内のいたるところに、メゾンのクリエイションの核となるコードが表現されている。
エントランスを入った中央エリアには、パリ本社にある鏡にちなんだ三連の鏡がそびえ立つ。こうした服を本質的な部分まで削ぎ落としていく「デコルティケ」のコードから生み出されたデザインは、ディスプレイテーブル、什器にも見つけることができ、店内のいたるところに、メゾンのクリエイションの核となるコードが表現されている。
外装や内装はしなやかな曲線により、陳列されたバッグやシューズを見ながらショップ空間の奥に並ぶ、レディ・トゥ・ウェアのコレクションへと自然と誘われる設計だ。奥には広々としたフィッティングルーム4室に加えて、専用のエントランスを備えるVIPルームもあり、ゆっくりとした時間を過ごしたくなる。
〈メゾン マルジェラ〉のコードを残しながら新しくなった表参道店だが、スタッフの制服である白衣はそのまま継続する。オリジナルコンセプトの〈メゾン マルジェラ トウキョウ〉と合わせて、新旧の世界観とその足取りを巡るショップ空間の旅も合わせておすすめしたい。
〈メゾン マルジェラ〉のコードを残しながら新しくなった表参道店だが、スタッフの制服である白衣はそのまま継続する。オリジナルコンセプトの〈メゾン マルジェラ トウキョウ〉と合わせて、新旧の世界観とその足取りを巡るショップ空間の旅も合わせておすすめしたい。