FASHION
〈メゾン マルジェラ トウキョウ〉がミュージアムに変貌|石田潤のIn The Mode
November 30, 2019 | Fashion | casabrutus.com | text_Jun Ishida editor_Keiko Kusano
ミュージアムピース級の服が並ぶ〈メゾン マルジェラ トウキョウ〉で開催中の『アーティザナル』展。ジョン・ガリアーノによるメゾン マルジェラの“今”が一望できる展示となっている。
恵比寿にある〈メゾン マルジェラ トウキョウ〉で『アーティザナル』展が始まった。」「アーティザナル」コレクションとは、メゾン マルジェラにおけるオートクチュールに相当するものだ。しかし他のブランドとは違い、メゾン マルジェラのそれは、シーズンの幕を開けるものであり、後に続くプレタポルテをはじめとするすべてのコレクションを貫く、技術やアイデア、哲学を示す存在で、すべてアトリエで手作業によって仕上げられている。
メゾンの現クリエイティブ・ディレクター、ジョン・ガリアーノは「アーティザナル」をメゾンのクリエイションの原液として捉える。この原液を希釈して日常着に反映させたものがプレタポルテであり、さらにそのエッセンスはプレ・コレクションやバッグ&シューズ、アクセサリー類、そしてフレグランスにも受け継がれる。
今回の『アーティザナル』展では、2019年春夏「アーティザナル」に始まり、2019年秋冬「デフィレ」(プレタポルテ)、2020年春夏「アヴァン・プルミエール」(プレ・コレクション)が一堂に会し、こうした流れが一望できる構成となっている。
メゾンの現クリエイティブ・ディレクター、ジョン・ガリアーノは「アーティザナル」をメゾンのクリエイションの原液として捉える。この原液を希釈して日常着に反映させたものがプレタポルテであり、さらにそのエッセンスはプレ・コレクションやバッグ&シューズ、アクセサリー類、そしてフレグランスにも受け継がれる。
今回の『アーティザナル』展では、2019年春夏「アーティザナル」に始まり、2019年秋冬「デフィレ」(プレタポルテ)、2020年春夏「アヴァン・プルミエール」(プレ・コレクション)が一堂に会し、こうした流れが一望できる構成となっている。
2019年春夏は、メゾン マルジェラの転換期となるシーズンだった。2019 年春夏「デフィレ」コレクションにおいて、ガリアーノは性差を取り払った Co-ed(男女共通の)コレクションをスタートしているが、こうした“ジェンダー・フリュイド”の方向性をより明確にしたのがアーティザナルの「Co-ed コレクション」である。
ランウェイには同じコンセプトの元に作られた服を纏った男女、そしてトランスジェンダーのモデルが闊歩し、パンツでもドレスでも、何を着るのかは本人の自由、というわけだ。もちろん服そのものにも転換は生じ、スケートボードのパンツがドレスになり、メンズのコートがスカートになる。この考え方は店舗にも反映され、たとえば旗艦展である〈メゾン マルジェラ トウキョウ〉では、男性/女性のコーナー分けはなく、同じ服のサイズ違いが並べられるのみだ(ただしメンズサイズとウィメンズサイズではシルエットが微妙に変化している)。
ランウェイには同じコンセプトの元に作られた服を纏った男女、そしてトランスジェンダーのモデルが闊歩し、パンツでもドレスでも、何を着るのかは本人の自由、というわけだ。もちろん服そのものにも転換は生じ、スケートボードのパンツがドレスになり、メンズのコートがスカートになる。この考え方は店舗にも反映され、たとえば旗艦展である〈メゾン マルジェラ トウキョウ〉では、男性/女性のコーナー分けはなく、同じ服のサイズ違いが並べられるのみだ(ただしメンズサイズとウィメンズサイズではシルエットが微妙に変化している)。
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illustration Yoshifumi Takeda
石田潤
いしだ じゅん 『流行通信』、『ヴォーグ・ジャパン』を経てフリーランスに。ファッションを中心にアート、建築の記事を編集、執筆。編集した書籍に『sacai A to Z』(rizzoli社)、レム・コールハースの娘でアーティストのチャーリー・コールハースによる写真集『メタボリズム・トリップ』(平凡社)など。