FASHION
モチーフは日本庭園!? マルニ世界最大級の旗艦店|石田潤のIn the mode
| Fashion, Architecture | casabrutus.com | text_Jun Ishida editor_Keiko Kusano
表参道ヒルズに誕生したマルニの旗艦店。コレクション会場やミラノ・サローネのインスタレーションでも注目を集めるフランチェスコ・リッソが創り出した新しいマルニの店舗デザインとは?
デザイナー交代が相次ぎ、ブランドのアイデンティティが問われる今のファッション界において、マルニを引き継いだフランチェスコ・リッソはその成功例のひとりだろう。マルニのクリエイティブ・ディレクターに就任して約2年半、ブランドの世界観を受け継ぎ、進化させる彼は、東京・表参道にマルニの世界最大級となる旗艦店をオープンした。
表参道ヒルズに誕生した〈マルニ 表参道〉は、ユニークな空間だ。横長の店舗には、導線に沿って5つの部屋が配置され、各部屋は階段でつながっている。奥に進むに連れ空間は狭くなると同時に親密さを増し、途中には秘密部屋のような空間も現れる。店舗デザインは「日本庭園」にインスパイアされたというフランチェスコに話を聞いた。
――日本で新旗艦店をオープンするにあたり、「日本庭園」をモチーフとしたのはなぜでしょう?
フィレンツェやパリなどで、その都市の個性を反映したストアを作ってきました。日本庭園のアイデアはごく自然に思いついたものです。私は庭を訪れると安らぎとともにデザインを見出します。平穏さとデザインが結びついていて、この感覚を店に持ち込むべきだと思いました。日本庭園はとてもよく考えられてデザインされています。店内に多く用いた曲線やレイヤリングのアイデアはそこから得ました。カーペットとコンクリートで構成した床は、石庭の波紋をイメージしています。
フィレンツェやパリなどで、その都市の個性を反映したストアを作ってきました。日本庭園のアイデアはごく自然に思いついたものです。私は庭を訪れると安らぎとともにデザインを見出します。平穏さとデザインが結びついていて、この感覚を店に持ち込むべきだと思いました。日本庭園はとてもよく考えられてデザインされています。店内に多く用いた曲線やレイヤリングのアイデアはそこから得ました。カーペットとコンクリートで構成した床は、石庭の波紋をイメージしています。
――特に参考にした日本の庭はありますか?
ひとつだけではありません。庭や花のイメージをたくさん集めて、ディテールを調べました。日本庭園だけでなく、50年代のデザインからもヒントを得ています、50年代において、丸みを帯びたデザインは美であり静けさの象徴でした。コレクションもそうですが、私たちの物語は、常に異なる要素がぶつかり合い、それらを結び付け、レイヤーにすることから生まれるのです。
ひとつだけではありません。庭や花のイメージをたくさん集めて、ディテールを調べました。日本庭園だけでなく、50年代のデザインからもヒントを得ています、50年代において、丸みを帯びたデザインは美であり静けさの象徴でした。コレクションもそうですが、私たちの物語は、常に異なる要素がぶつかり合い、それらを結び付け、レイヤーにすることから生まれるのです。
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石田潤
いしだ じゅん 『流行通信』、『ヴォーグ・ジャパン』を経てフリーランスに。ファッションを中心にアート、建築の記事を編集、執筆。編集した書籍に『sacai A to Z』(rizzoli社)、レム・コールハースの娘でアーティストのチャーリー・コールハースによる写真集『メタボリズム・トリップ』(平凡社)など。
