DESIGN
福岡の〈モアライト〉|川合将人のインテリアスナップ
December 20, 2018 | Design, Culture, Travel | casabrutus.com | photo_Yoshikazu Shiraki text_Masato Kawai
インテリアスタイリストが街で見つけた素敵な空間を紹介する連載第4回目は、福岡の新ショップ〈モアライト〉。アンティーク家具を大胆に使った店内は珍しい民芸品の宝庫です。
こんにちは。今回はインドのキルトやモロッコのベニワレンのラグなど、インテリアを飾るテキスタイルアイテムを数多く扱う福岡の人気ショップ〈ライトイヤーズ〉が、新ショップ〈モアライト〉をオープンさせたと聞いて行ってきました。
天井高のある広く開放的な店内。床と壁は明るいグレートーンのモルタル仕上げに統一され、カウンター背面の大きなシェルフを筆頭に、各所にヨーロッパのアンティーク家具が什器として使用されています。内装は代表を務める前田淳さんが手がけ、ショップカウンターの両サイドにあるガラスのショーケースと可動式の階段は、インテリアデザイナーの佐々木一也さんにデザインを依頼したそうです。
気付いて感動したのが、ガラスのショーケース内部の底面の素材で、ショップ床と全く同じモルタル仕上げになっていること。ショーケース自体が空間と一体となって、中に陳列されたアイテムが浮かび上がり、非常に魅力的に見えます。
また地味ですが、天井面にあるエアコンを天井と同じカラーに塗装し、余計なノイズを排除していた部分も参考になりました。什器に使用されるアンティーク家具の素材感や、販売するアイテムが映える、ニュートラルに徹した空間作り。こういったディテールへの気配りは、住宅の内装を考える時などにも参考になります。
気付いて感動したのが、ガラスのショーケース内部の底面の素材で、ショップ床と全く同じモルタル仕上げになっていること。ショーケース自体が空間と一体となって、中に陳列されたアイテムが浮かび上がり、非常に魅力的に見えます。
また地味ですが、天井面にあるエアコンを天井と同じカラーに塗装し、余計なノイズを排除していた部分も参考になりました。什器に使用されるアンティーク家具の素材感や、販売するアイテムが映える、ニュートラルに徹した空間作り。こういったディテールへの気配りは、住宅の内装を考える時などにも参考になります。
〈モアライト〉で販売しているのは、アフリカやインドのほか、アジア各国で買い付けた民芸品や、ベルギーやフランスのアンティーク雑貨や自然物のオブジェなど、本当にいろいろなものがあります。
来店時にはアフリカのフォークアートが充実していて、占いに使われていたという牛の形をした “ボリ” と呼ばれる道具や、薬を飲むのに使われていたクバの取っ手の付きの陶器、樹皮でできた“タパ”という布であったりと、インテリアのアクセントになりそうな個性的なアイテムが並んでいました。
珍しいものや用途のわからないものも多く、取材時には思わず前田さんを質問攻めにしてしまったほどですが、アンティークの陶製の照明部品や、ショップオリジナルの溶岩で作ったペンダント照明など、手軽にインテリアに取り入れられる商品も揃っています。
illustration Yoshifumi Takeda
川合将人
かわい まさと 雑誌、カタログ、広告などでインテリアスタイリストとして活躍。イベントの会場構成、ショップやハウスメーカーの空間を数多く手がけ、執筆活動も行っている。