DESIGN
はじまりの色とかたち。柚木沙弥郎の原点をたどる。
『カーサ ブルータス』2018年5月号より
| Design | a wall newspaper | photo_Norio Kidera (portrait) text_Chizuru Atsuta editor_Yuka Uchida
御年95歳、現役で活躍する染色家・柚木沙弥郎の個展が日本民藝館で開催。ご本人に話を聞きました。
よい模様とは直観で捕らえられた本質的なものの姿である」*と語ったのは日本民藝館の創設者、柳宗悦。そのお題に応えるべく、染色家・柚木沙弥郎の個展が同館で開催されている。
柳の民藝思想に共鳴し、染色工芸家の芹沢銈介に師事したのが、1948年。それから70年、今も制作活動を続ける。近年は版画、絵本、ガラス絵など、様々な分野での活躍も目覚ましいが、今回は創作の原点となる“染色”に焦点を当てた。柚木はこう語る。
「民藝は僕の根っこでもある。柳先生と出会い、染色家の道を志した自分にとって、これは先生に対するオマージュ。標準となる美しさとは何かをいつも作家に問いかけていた柳先生に対して、諸先輩方はみんな答えを出している。今回の展覧会は、先生の問いかけに対する僕の答えなんです」
柳の民藝思想に共鳴し、染色工芸家の芹沢銈介に師事したのが、1948年。それから70年、今も制作活動を続ける。近年は版画、絵本、ガラス絵など、様々な分野での活躍も目覚ましいが、今回は創作の原点となる“染色”に焦点を当てた。柚木はこう語る。
「民藝は僕の根っこでもある。柳先生と出会い、染色家の道を志した自分にとって、これは先生に対するオマージュ。標準となる美しさとは何かをいつも作家に問いかけていた柳先生に対して、諸先輩方はみんな答えを出している。今回の展覧会は、先生の問いかけに対する僕の答えなんです」
生命感にあふれ、生き生きとした模様と色彩が特徴の柚木の作品。今回の展示は第一作から最新作まで日本民藝館だからこそ観ることができる作品も多い。同館では存命作家の個展が最後に開催されたのは43年前。バーナード・リーチ、河井寛次郎、濱田庄司、棟方志功という民藝の大家4人だけ。この先あるかわからないと学芸員も語るほど画期的な展覧会なのだ。
「民藝の思想をもっと若い人たちに知ってほしい。僕は伝統の中に新風を吹き込み続けたいと思ってる。どんな展覧会になっているか? それは見てのお楽しみだね」
*柳宗悦著『模様とは何か』(1932年)
「民藝の思想をもっと若い人たちに知ってほしい。僕は伝統の中に新風を吹き込み続けたいと思ってる。どんな展覧会になっているか? それは見てのお楽しみだね」
*柳宗悦著『模様とは何か』(1932年)

『柚木沙弥郎の染色/もようと色彩』
〈日本民藝館〉東京都目黒区駒場4-3-33 TEL 03 3467 4527。10時〜17時(金〜19時)。〜6月24日。月曜休(祝日の場合は開館、翌日振替休館)。入館料1,100円。

柚木沙弥郎
ゆのきさみろう 1922年東京都生まれ。日本の型染の第一人者で、約70年の活動で多くの展覧会を開催。2014年、フランス国立ギメ東洋美術館に作品が収蔵された。
