DESIGN
テキスタイルデザイナー氷室友里のお仕事。
『カーサ ブルータス』2018年3月号より
| Design | a wall newspaper | photo_Nobuki Kawaharazaki styling_Yumi Nakata text_Rie Nishikawa
家具ブランドや建築とのコラボレーションにデザイン賞受賞など、ここ最近、気になる氷室友里の活動と作品とは?
ハサミでテキスタイルの表面を切っていくと下から柄が。氷室友里の代表作〈snip snap〉はハサミでカットして柄をアレンジできる生地。冬のラップランドの氷が張った湖をイメージした柄では、氷を割るように白い部分にハサミを入れると、中から青い湖が現れ、釣り人の周辺には魚がたくさん隠れている。他にも表は動物、裏はその足跡という生地や、見る方向で景色が変わるものなど、1枚のテキスタイルに様々な発見があり、驚きに満ちている。
「テキスタイルで変化が起こり、楽しくなることがコンセプト。テキスタイルをプロダクトととらえて、人とどう関わっていくかをデザインの出発点にしています」ハサミで切る、くしゃくしゃにする、折り畳む……。生活に密接に関わるものだからこそ、いろいろな人との関わり方を考えていける。
「テキスタイルの織りの構造から考えることが特徴だと思います。柄のデザインと同時に構造を考え、設計図を作ります。それが難しいのですが、設計図と同時に糸の素材もいろいろ試します。〈snip snap〉では5色の糸を使い、上下の糸を変えることで表情を変えていくんです。学生時代からお願いしている工場と一緒に、イメージに合うまで試作を重ねていきます」
「テキスタイルの織りの構造から考えることが特徴だと思います。柄のデザインと同時に構造を考え、設計図を作ります。それが難しいのですが、設計図と同時に糸の素材もいろいろ試します。〈snip snap〉では5色の糸を使い、上下の糸を変えることで表情を変えていくんです。学生時代からお願いしている工場と一緒に、イメージに合うまで試作を重ねていきます」
柄の細かな作品のほとんどは、ジャカード織り。織り機の1本1本の動きを指示できるため、モチーフを描くのには適しているのだ。人や建物、乗り物、植物など、ひと目見てわかりやすいものを描く。この画風に男性ファンも多い。小さな頃からデザインに興味があった。アレッシィのワインオープナーの動きに夢中になり、素材にバックグラウンドがあるモノが好きでテキスタイルを専攻した。「学生時代からのつながりやアイデアが、今のデザインの仕事や作品作りに生かされています」ミラノサローネなど海外の展示会やインテリアライフスタイル展に出展、作品は自身のブランドから国内外で展開する。最近は建築やインテリアとのコラボレーションが増えて、関わり方が変わってきた。
現在は新作、準備中という。次の作品も楽しみにしてます!
現在は新作、準備中という。次の作品も楽しみにしてます!

氷室友里
ひむろゆり 1989年東京生まれ。多摩美術大学大学院在学中にフィンランドのアアルト大学に交換留学。大学院修了後、会社勤務、2016年独立。「IFFT/Interior Lifestyle Living Young Designer Award 2017」受賞。
