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佐藤可士和×今村翔吾のシェア型書店〈ほんまる〉は出版業界の救世主になるか!?
『カーサ ブルータス』2024年7月号より
June 22, 2024 | Design | a wall newspaper | photo_Shin-ichi Yokoyama text_Akio Mitomi
直木賞作家の今村翔吾が東京・神保町に開店したシェア型書店〈ほんまる〉のブランディングを担う佐藤可士和に戦略を聞きました。
全盛期の2万店から半減し、現在も1週間に1店舗が閉店に追い込まれている書店業界。そのような状況に一石を投じようと、2店の経営に乗り出してきた作家・今村翔吾が東京・神保町にシェア型書店をオープンした。
「小説のストーリーを結末から逆算するように、本屋がなくなる前提からシェア型書店を構想した」という今村が、「ダメ元で」依頼した相手が佐藤可士和だ。
「小説のストーリーを結末から逆算するように、本屋がなくなる前提からシェア型書店を構想した」という今村が、「ダメ元で」依頼した相手が佐藤可士和だ。
「さすが直木賞作家で、13枚もの達筆の手紙を読んでいたらストーリーに引き込まれて、最後は何か手伝わなきゃいけないのかな、と(笑)」。書店の消滅を食い止めるには、コンテンツやデザインだけでなく、システムから考えなければならない。そう考えた佐藤は〈ほんまる〉を「小さなモール」と定義した。シェア型書店の入居者「棚主」に貸し出す棚を主役に据え、稀少なツガ材を採用。さらに図書館で本のダミーとして使われる「代本板」を、看板代わりにデザインできるようにした。
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