イケアの名作椅子《ポエング》をデザインした中村昇を知っていますか?
| Design | PR | photo_Ikuya Sasaki text_Yoshinao Yamada editor_Housekeeper, Keiko Kusano
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発表当初、《POEM(ポエーム)》の名で発表された《POÄNG/ポエング》は1978年に現在の名称へと変更され、長く販売されている。

中村さんとは別にスウェーデンに留学していた、妻の中村七生さん。30年以上を経た今も現役で使われている《POÄNG/ポエング》に座っていただいた。現在とは仕様が異なる部分もあり、見比べるのも面白い。ちなみに七生さんの留学のきっかけは、休暇を利用して参加した「北欧のデザインを巡る旅」で中村さんに出会い、その後、再会した際に「海外で生活体験すると、生き方が変わる」とアドバイスをもらったことから。

中村の自宅には3脚の《POÄNG/ポエング》があり、うち2脚はスウェーデンより帰国する際にプレゼントされたものだ。冬になると窓際にテーブルを置いて、外を眺めながら仕事をしたという。

最初の留学先でカール・マルムステンがデザインしたサイドテーブルを無垢の材料選びから任されて制作する課題授業があり、そこで中村が日本で培った技術力が高いことに皆が驚いたという。それもあって言葉の壁はありながら、周囲と溶け込むことができたそう。このテーブルは帰国時に持ち帰り、今も七生さんが愛する家具のひとつ。
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