DESIGN
【今週の花と器】アマリリス(ベラドンナリリー)と〈ポレーヌ × モブジェ〉の《ラペル》|9月
September 11, 2023 | Design | casabrutus.com | photo_Reiko Toyama styling_Yumi Nakata text_Yoshikatsu Yamato
9月2週目の担当は、渋谷区西原の花屋〈フォレジャー〉店主のチーコさん。秋風が吹き、夏が終わるなあといよいよ気分が変わりはじめる季節。石鹸のように清楚な香りがただようヒガンバナ科のアマリリスを、帽子のように軽やかな器に活けました。ユリに似た花の姿は凛として、芯の強さがありながら、季節の変わり目に寄り添うしなやかさも感じられます。
ヒガンバナ科のアマリリス(ベラドンナリリー)は、太い茎からラッパのような花がいくつも咲きます。生クリームのような肌理の細かい白です。咲き終わった花を手で摘み取ると、蕾も開いてきますよ。ただ、存在感のある花びらを摘み取ると「歯っ欠け」というか、間が抜けた雰囲気になってしまう。なので、切り口を新鮮にする意味でも茎をだんだん短くして、一本一本を密集させるよう活け変えていきます。花持ちがいいので長く楽しめますよ。
今回の器は、帽子のような素材と形。日差しはまだまだ暑くて避けたい気もするけれど、風が秋らしくなってくる季節の気分にちょうどいいと思いました。でも、素朴なムードの器に可愛らしい野の花っぽいものを活けるとマッチしすぎるというか、ほっこりし過ぎてしまうかもしれません。だから、季節の花のなかでも、気品や風格のあるアマリリスを選びました。
アマリリスはユリに似て、雄しべの先に花粉がつくお花です。花屋では、お店に並べる時点で花粉を取り除いてしまうこともありますが、私は花粉を残しておくほうが自然の姿という気がして好きです。実は、花粉をつけたものと花粉を取ったものをお店に置いて比べたことがあるんです。すると、花粉を残したもののほうが花持ちが良かった。花びらにシワが入るのも、花粉付きのほうがゆっくりでした。とはいえ、洋服についてしまったりと汚れが気になる人もいるかもしれないので、不特定多数の人が行き来するような場所に飾るときは取り除いたりと、臨機応変に考えたらいいと思います。
今回の器は、帽子のような素材と形。日差しはまだまだ暑くて避けたい気もするけれど、風が秋らしくなってくる季節の気分にちょうどいいと思いました。でも、素朴なムードの器に可愛らしい野の花っぽいものを活けるとマッチしすぎるというか、ほっこりし過ぎてしまうかもしれません。だから、季節の花のなかでも、気品や風格のあるアマリリスを選びました。
アマリリスはユリに似て、雄しべの先に花粉がつくお花です。花屋では、お店に並べる時点で花粉を取り除いてしまうこともありますが、私は花粉を残しておくほうが自然の姿という気がして好きです。実は、花粉をつけたものと花粉を取ったものをお店に置いて比べたことがあるんです。すると、花粉を残したもののほうが花持ちが良かった。花びらにシワが入るのも、花粉付きのほうがゆっくりでした。とはいえ、洋服についてしまったりと汚れが気になる人もいるかもしれないので、不特定多数の人が行き来するような場所に飾るときは取り除いたりと、臨機応変に考えたらいいと思います。
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