陶芸の里・唐津で訪ねるべき2人の女性作家【佐賀シティガイド】
May 21, 2023 | Design, Art, Food, Travel | casabrutus.com | photo_Satoshi Nagare text_Masae Wako editor_Akio Mitomi
Photo Gallery写真ギャラリー
「うずら」と名付けられた独特の肌合いは、焼成することで土の中の鉄分が表れて生まれたもの。この日は散歩中に見つけた野生の甘夏をひとつ。「お刺身を並べてもきれいです」。うずら台皿、直径約22cm、19,800円。
半球型の黒釉台皿にキャンドルを。器の形のアイデアは、植物や果物、建築物から得ることも。「見たものが直接反映されるわけではなく、頭や体の中に蓄積されて、ある時ふっと表れる感じ」。直径約16cm、13,200円。
なめらかな白と端正な形。手のひらに乗る小さな蓋物は、塩や柚子胡椒を入れるのにぴったり。「ジュエリー入れやお香入れにしてもいい。蓋物って中身が何かを想像させる楽しさがありますよね」。直径7〜8cm。各16,500円。
1972年唐津生まれ。16歳でプロテニスプレイヤーをめざして単身渡米。大学卒業後に帰国して父の中里隆さんに陶芸を学ぶ。再び渡米し、陶芸家・マルコムライトに師事。2000年に個展活動を開始、2007年〈monohanako〉を設立。
器の縁は「牛ベラ」というヘラで整えるのが、唐津焼や同じ佐賀県の有田焼に特有の手法。この後、削りを施して形を作る。「唐津の削りはざっくり。轆轤の勢いを残します。一方、有田の削りはきちっと。贅肉を削ぎ落して形を整えるんです」。
成形が終わった器は、乾燥させてから工房内のガス窯で焼成する。「私は定番を作り続けるというより、いろんな種類の器を作るタイプ。定番の形でも、その日のノリによって微妙に大きさが変わったりするんです」と花子さん。
Loading...