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個展が開催中。セラミックアーティスト、マリアンネ・フオタリの世界|小西亜希子の北欧デザイン通信
May 5, 2023 | Design | casabrutus.com | photo_Masanori Kaneshita text_Akiko Konishi
フィンランドデザイン界で注目のアーティスト、マリアンネ・フオタリの個展『Infinite Bloom』が、東京・外苑前のセレクトショップ〈ドワネル〉で開催中。セラミックアーティストとして海外での活動を拡げる彼女に、今回発表された新作や創作活動におけるインスピレーションの源について、インタビューをしました。
ルート・ブリュックやビルガー・カイピアイネン、石本藤雄らを始めとする錚々たるデザイナーが所属していたことで知られるフィンランドの〈アラビア アート・デパートメント〉。1932年にアラビア製陶所内に設立された歴史あるこの組織は、現在もソサエティ=共同体として複数のアーティストが所属しており、製陶を中心とした創作活動を続けている。
その狭き門に史上最年少で所属したアーティスト、それがマリアンネ・フオタリだ。テキスタイルデザイナー、アートディレクターとしての顔を持つ一方で、近年はセラミックアーティストとして、世界各国の美術館やギャラリーへと活躍のステージを広げている。〈ドワネル〉での個展は今回で4度目。久しぶりの来日を果たした彼女に、話を聞いた。
その狭き門に史上最年少で所属したアーティスト、それがマリアンネ・フオタリだ。テキスタイルデザイナー、アートディレクターとしての顔を持つ一方で、近年はセラミックアーティストとして、世界各国の美術館やギャラリーへと活躍のステージを広げている。〈ドワネル〉での個展は今回で4度目。久しぶりの来日を果たした彼女に、話を聞いた。
まず、あなたが陶芸の世界に興味を持ったきっかけを教えてください。
テキスタイルを専攻していた学生時代、大学の修士論文の作品制作時に、色々な素材で積み重ねたボウルのセットを作るというものがありました。そのうちのひとつは陶器のキャセロールにしたくて、とある陶芸スタジオに行き、作らせて貰えるかと尋ねたら、快く引き受けてくれたんです。その結果30個のキャセロールを初めて作ることができました。それが粘土という素材そのものに興味を持つようになった大きなきっかけです。
卒業後、テキスタイルデザインの仕事の傍らで、鋳造で陶器のカップやお皿を作るようになり、素材に対しての理解が深まりつつあった時、もう一つの転機が。2015年にテキスタイルのウォールラグのデザインコンペがあって、その時にフィンランドの伝統的な織物、リュイユの製法にインスパイアされた作品が入賞したんです。それから本格的にリュイユの技法とセラミックを組み合わせた作品を作るようになりました。
テキスタイルを専攻していた学生時代、大学の修士論文の作品制作時に、色々な素材で積み重ねたボウルのセットを作るというものがありました。そのうちのひとつは陶器のキャセロールにしたくて、とある陶芸スタジオに行き、作らせて貰えるかと尋ねたら、快く引き受けてくれたんです。その結果30個のキャセロールを初めて作ることができました。それが粘土という素材そのものに興味を持つようになった大きなきっかけです。
卒業後、テキスタイルデザインの仕事の傍らで、鋳造で陶器のカップやお皿を作るようになり、素材に対しての理解が深まりつつあった時、もう一つの転機が。2015年にテキスタイルのウォールラグのデザインコンペがあって、その時にフィンランドの伝統的な織物、リュイユの製法にインスパイアされた作品が入賞したんです。それから本格的にリュイユの技法とセラミックを組み合わせた作品を作るようになりました。
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小西亜希子
こにし あきこ 1990年代後半からミッドセンチュリー、北欧デザインを専門としたインテリア業界にて活動。MD、商品開発、PR、企画、VMDから、ブランドディレクションまでこなす。著書に『カイ・フランクへの旅』(グラフィック社)。
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