DESIGN
古今東西 かしゆか商店【淡竹の茶筅】
『カーサ ブルータス』2023年5月号より
May 8, 2023 | Design | KASHIYUKA’s Shop of Japanese Arts and Crafts | photo_Keisuke Fukamizu hair & make-up_Masako Osuga editor_Masae Wako
日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回の手仕事は初の茶道具。国産茶筅の産地として知られる奈良県の高山で、500年の歴史を持つ工房を訪ねました。
先日、茶の湯に使われる天目茶碗に触れる機会がありました。茶碗の美しさもさることながら、心惹かれたのが茶道具。特に、どう作られるのか気になったのが茶筅です。
「始まりは室町時代。茶人の村田珠光に端を発し、奈良県生駒市の高山で生産されるようになりました。今も国産茶筅の約9割を、この地域の18軒だけで作っています」
「始まりは室町時代。茶人の村田珠光に端を発し、奈良県生駒市の高山で生産されるようになりました。今も国産茶筅の約9割を、この地域の18軒だけで作っています」
そう教えてくださったのは茶筅師の谷村丹後さん。500年前から続く谷村家の20代目です。
「抹茶を攪拌する茶筅は、いわば消耗品。個性を愛でる茶碗と違ってお茶席の記録にも作者名が記されない唯一の存在です。とはいえ、その良し悪しがお茶の味を左右する重要な道具でもある。昔は家族だけで製作し、技術が盗まれないよう夜中に作業していたんですよ」
「抹茶を攪拌する茶筅は、いわば消耗品。個性を愛でる茶碗と違ってお茶席の記録にも作者名が記されない唯一の存在です。とはいえ、その良し悪しがお茶の味を左右する重要な道具でもある。昔は家族だけで製作し、技術が盗まれないよう夜中に作業していたんですよ」
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