DESIGN
建て替え直前のソニービルで時代を振り返る『It’s a Sony 展』
December 22, 2016 | Design, Architecture | casabrutus.com | photo_Takuya Neda text_Keiko Kusano
東京・銀座のソニービルで開催中の『It’s a Sony 展』が、連日、多くの人々で賑わっている。本展は、来年春からはじまるソニービルの建て替えを中心とした「銀座ソニーパークプロジェクト」の一環として、50年余りのソニービルとプロダクトの歴史を写真や実物で一気に振り返るというもの。「あーこれ覚えてる!」と思わず声を出してしまいそうな、懐かしいソニー製品や広告など、レアなアイテムが多数登場している。
ソニー株式会社の創業は1946年のこと。当時の社名は東京通信工業株式会社(東通工)。社名をソニー株式会社に変更したのが1958年のことで、銀座のソニービルがオープンしたのは、その8年後となる1966年4月のことだった。ビルオープン当時は、外壁にはめ込まれた2300個のテレビ用ブラウン管や、日本一速いエレベーターなどが話題を呼び、来館者が1日2万人を超える日もあったという。
建築家・芦原義信はソニービルを設計するにあたり、「花びら構造」という独自の考え方を生み出した。ひとつのフロアを田の字のかたちに4分割し「真ん中の柱を中心に4つのセクションを少しずつ段違いにして、ひと回りでちょうど1フロア分下がる」というアイデアだ。
このアイデアの着想には、ニューヨークのグッゲンハイム美術館があった。創業者のひとりである盛田昭夫が、同美術館の「渦巻き状の通路を、絵を見ながら歩いて行くと、自然に下まで来てしまうという構造」が「お客様が次々と興味を持って見て回れるショールームの構造にふさわしい」と思いついたことが、特徴的なソニービル設計へとつながったわけだ。
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