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高松盆栽の魅力を次代へと受け継ぐ場〈TAKUMIKUMO VILLAGE〉。
March 9, 2022 | Design, Art, Travel | PR
| photo_Satoshi Nagare text_Mako Yamato
人気の高まりを見せる盆栽に興味を持ったなら、足を運んでみたいのは、江戸時代から続く歴史ある産地。今年5回目が開催される瀬戸内国際芸術祭と共に巡りたい。
高松の鬼無(きなし)・国分寺地区は江戸時代に始まる日本有数の盆栽の産地。なかでも松は国内生産の8割を占めるほど。雨が少なく温暖な気候と、水はけのよい土壌は松の生育に最適で、丈夫で上質な松は日本はもちろん海外からも注目を集めてきた。種から木を育てる種木屋と盆栽師は分業が一般的な盆栽界において、一貫して手がける盆栽家が多いのも高松盆栽の特徴。昨年1月に誕生した〈TAKUMIKUMO VILLAGE〉は明治初期、鬼無地区に創業した老舗〈中西珍松園〉のギャラリー。5代目の中西陽一さんが手がける盆栽をはじめ、香川漆器や庵治石など讃岐に育まれた、ものづくり集団・TAKUMIKUMOの活動拠点でもある。
「TAKUMIKUMOは匠雲。香川の伝統工芸の作り手が、雲のように形を変えながら集まり、伝統を次代へ届ける場になれば」と中西さん。コラボ作品の発表など国内外で行ってきた活動を集約、ワークショップを通じて五感で体感する場所がここに誕生した。たとえば盆栽なら、鬼無地区を散策して小さな松が整然と並ぶ松畑を見ることに始まり、盆栽棚の見学、そして好きな苗木を選んでこけ玉を作るワークショップを。ハサミを持って行う剪定も新鮮な体験となる。伝統工芸品の器を使い、豊かな瀬戸内の恵みを味わう食事も可能。
「日本の美しい自然を手本に、鉢の中に再現するのが盆栽。盆栽を眺めるゆとりのある豊かな人生を過ごしてもらえたら」と中西さん。盆栽が彩る空間で過ごし、伝統のアートを五感で知るひとときだ。
〈TAKUMIKUMO VILLAGE〉
こけ玉作り、香川漆器、陶芸、金継ぎなど伝統工芸のワークショップや、伝統工芸品を使った食事などが体験できる。所要時間150分。定員2~6名。体験料は各14,300円。●香川県高松市鬼無町佐藤8−2(〈中西珍松園〉内)。TEL 087 882 0526。10時~17時(受付時間)。不定休。
〈高松盆栽の郷〉
好みの盆栽に出会える、産地ならではの直売所も。鬼無・国分寺エリアの50ほどの盆栽園から届けられる10,000点もの盆栽が並ぶ。2020年4月にオープン。松はもちろん、果樹や山野草などまで幅広く扱う。こけ玉作り体験も(要予約)。●香川県高松市国分寺町国分353-1。TEL 087 874 2795。8時30分~17時。無休。