DESIGN
古今東西 かしゆか商店【色鍋島の蓋物】
『カーサ ブルータス』2022年3月号より
March 8, 2022 | Design | KASHIYUKA’s Shop of Japanese Arts and Crafts | photo_Keisuke Fukamizu hair & make-up_Masako Osuga editor_Masae Wako
日常を少し贅沢にするもの。日本の風土が感じられるもの。そんな手仕事を探して全国を巡り続ける、店主・かしゆか。今回訪ねたのは佐賀県有田町。370年の歴史を誇る名窯で「色鍋島(いろなべしま)」と呼ばれ愛される優美な磁器と出会いました。
うつわに興味を持ち始めて6年ほど。最初は無地の作家ものを選ぶことが多かったのですが、次第に「こんなに楽しいうつわがあるんだ」と、柄や絵付けが施されたものにも惹かれるようになりました。今回訪ねたのは、そのルーツともいえる有田焼の窯元です。
有田焼は17世紀に佐賀県の有田町で始まった磁器。町には今も100軒以上の窯元が並び、そこここに窯の煙突が立っています。この土地で370年以上にわたって「色鍋島」と呼ばれる色絵のうつわを作り続けているのが「今右衛門窯」。鍋島藩(佐賀藩)の御用赤絵師として将軍家や宮中への献上品を手がけた窯元で、優美なその作品は、明治期まで一切、市場に流通しなかったほど。透明な釉薬の下に藍色や墨色で描かれる「下絵」と、釉薬をかけた上に描かれる鮮やかな「赤絵(上絵)」とで、紋様を表すのが特徴です。
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