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伝説のアートディレクター・堀内誠一の「絵の世界」をひもとく。

| Design, Art, Culture | casabrutus.com | text_Aya Hasegawa

『BRUTUS』や『anan』のロゴデザインを手がけたことで知られるアートディレクターで絵本作家の堀内誠一。彼の画業を振り返る展覧会が、〈大丸京都店〉内の〈大丸ミュージアム〉で幕を開ける。

『たろうのおでかけ』(1963年)。『BRUTUS』などのロゴデザインで知られる堀内の絵本作品。鮮やかな色使いが目を奪う。©Seiichi Horiuchi
『たろうのおでかけ』(1963年)。『BRUTUS』などのロゴデザインで知られる堀内の絵本作品。鮮やかな色使いが目を奪う。©Seiichi Horiuchi
アートディレクター、デザイナー、絵本作家の堀内誠一が、2022年に生誕90年を迎えることを記念し、2022年1月4日より〈大丸京都店〉内の〈大丸ミュージアム〉にて、展覧会『堀内誠一 絵の世界』が開催される。

1932年に東京の下町で生を受けた堀内は、雑誌作りにおけるエディトリアルデザインの先駆けとなる存在。1970年の『anan』創刊時には、ロゴ、表紙、ページネーションなどを手がけた。さらに『BRUTUS』『Olive』『POPEYE』などの雑誌ロゴも堀内によるものだ。
『こすずめのぼうけん』(1976年)。1973〜81年のパリ滞在中に制作した作品。©Seiichi Horiuchi
『こすずめのぼうけん』(1976年)。1973〜81年のパリ滞在中に制作した作品。©Seiichi Horiuchi
その一方で、絵本作家としても活躍。1958年に初めての絵本『くろうまブランキー』を出版し、その後も『ぐるんぱのようちえん』『たろうのおでかけ』など、60 冊を超える絵本を生み出した。その中には、現在も重版を重ねるベストセラーも少なくない。また、世界各地を旅し、多くのイラストや絵手紙も残している。1973年には家族とともにパリ郊外へ移住。約7年滞在し、絵本の仕事に専念した。今なお高い人気を誇る『こすずめのぼうけん』は、そのパリ滞在中に誕生した作品だ。
『ぐるんぱのようちえん』(1965年)。ひとりぼっちの大きな象ぐるんぱと、子どもたちの交流を描いた作品。©Seiichi Horiuchi
『ぐるんぱのようちえん』(1965年)。ひとりぼっちの大きな象ぐるんぱと、子どもたちの交流を描いた作品。©Seiichi Horiuchi
同じく『ぐるんぱのようちえん』(1965年)より。©Seiichi Horiuchi
同じく『ぐるんぱのようちえん』(1965年)より。©Seiichi Horiuchi
『ぐるんぱのようちえん』(1965年)。ひとりぼっちの大きな象ぐるんぱと、子どもたちの交流を描いた作品。©Seiichi Horiuchi
同じく『ぐるんぱのようちえん』(1965年)より。©Seiichi Horiuchi
「絵本作家の道こそ運命が決めた本命」と本人が語ったように、 彼の54年の人生は絵を描くこととともにあった。『堀内誠一 絵の世界』は、そんな堀内の「絵の世界」にフォーカスした展覧会だ。10代の時に描いた油絵作品のほか、絵本の原画、雑誌のためのカット、絵手紙など、約150点にのぼる貴重な作品や資料の数々を展示する。「本当に同じ作者の作品だろうか」とにわかには信じられないほどに多彩な作風の絵の世界に存分に身を委ねられるとともに、20 世紀という時代における絵本や雑誌といったカルチャーの変遷を目の当たりにできる格好の機会にもなるはずだ。
『ロボット・カミイ』(1970年)。段ボール紙でできたロボット「カミイ」を、温かみのある色合いで手がけている。©Seiichi Horiuchi
『ロボット・カミイ』(1970年)。段ボール紙でできたロボット「カミイ」を、温かみのある色合いで手がけている。©Seiichi Horiuchi
なお、同展は、〈大丸ミュージアム〉で開催されたあと、静岡県の〈ベルナール・ビュフェ美術館〉、〈神奈川近代文学館〉、〈ひろしま美術館〉などを巡回することが決まっている。

『堀内誠一 絵の世界』

〈大丸ミュージアム〉京都府京都市下京区立売西町79 大丸京都店 6F TEL 075 211 8111(大丸京都店)。2022年1月4日~24日。10時〜20時(最終日~17時、入場は閉館30分前まで)。無休。1,000円。

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