DESIGN
工芸から工業へ。2022年夏、ジャン・プルーヴェの足跡を追う展覧会が開催に。
January 1, 2022 | Design, Architecture | casabrutus.com | text_Hisashi Ikai editor_Keiko Kusano
アルミニウムやスチールなど、金属建材の可能性を追求し、いち早く建築のモジュール化、プレファブ化に取り組んだジャン・プルーヴェ。彼の大規模な展覧会が2022年夏、〈東京都現代美術館〉で開催される。
ル・コルビュジエ、シャルロット・ペリアンらとコラボレーションを重ねつつ、独自の思想を確立。20世紀の建築デザイン界に大きなインパクトを与えたジャン・プルーヴェ(1901〜1984)。アール・ヌーヴォーの流れを汲むナンシー派の父のもと、工芸の世界に囲まれて育ったプルーヴェだったが、彼が推し進めたのは、技術と素材の革新により、さらに近代的で、合理性と機能性に富み、多くの人々に恩恵を与えるものを構築することだった。
プルーヴェが自身を「建築家(architect)」ではなく「建設家(constractor)」と名乗っていたのは有名な話。自身の工房にいち早く金属工作機械を導入して工場を構え、新素材の研究や新しい加工法を模索するなかで、建設や製造技術の開発にこそ、新しい建築のあり方が存在すると信じていた。
その証に、スチールやアルミニウムを建築材としていち早く取り入れ、その折り曲げやパネル加工を自ら実用化することで、軽量で楽に移動でき、量産やプレファブも可能という画期的な仕組みを編み出した。建築をモジュール化させたことで供給スピードを一気に上げ、戦争や災害のために家を失った避難民のために何百という住宅を供給した実績も持つ。
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