DESIGN
イッタラの新たな旗艦店、隈研吾デザインで表参道に登場。世界初のカフェも!|小西亜希子の北欧デザイン通信
March 5, 2021 | Design, Food | casabrutus.com | photo_Satoshi Nagare text_Akiko Konishi editor_Keiko Kusano
2021年2月、北欧デザインシーンをリードする〈イッタラ〉が国内旗艦店〈イッタラ表参道ストア&カフェ〉を東京・表参道にオープン。内装デザインを手がけたのは、建築家の隈研吾だ。隈氏へのインタビューとともに、ストアの魅力をたっぷりお届けする。
北欧デザインのブランドの中でも、日常の暮らしに取り入れやすいテーブルウェアを主軸に展開する〈イッタラ〉は、とりわけ多くのみなさんがご存知だと思う。ここではあらためて〈イッタラ〉の成り立ちから触れてみたい。
〈イッタラ〉は1881年、フィンランド南部のイッタラ村で設立以降、140年に渡り同地でガラスを作り続けている企業だ。フィンランドはガラス製造に必要な木材、石英、水などの資源が豊富に揃っていたことから、スウェーデンの統治時代にガラス職人たちが移住し拠点としたのがその始まり。〈イッタラ〉は環境先進国・北欧諸国のなかでも、いち早くガラスの透明度を上げるための鉛を使用せず、環境や人の暮らしに配慮したガラスづくりを行ってきた。そう、〈イッタラ〉は古くからサスティナブルなスタイルを実践し続けているブランドなのだ。
そんな〈イッタラ〉の歴史を象徴するかのようなアイコンが、〈イッタラ表参道ストア&カフェ〉に登場している。天井から吊り下げられた、木の幹を模したガラスの照明。デザインを担当した隈氏のリクエストに応えるべく、イッタラ工場の職人(ブロワー)たちが何度も試行錯誤を重ねながら完成させた力作だ。
〈イッタラ〉は1881年、フィンランド南部のイッタラ村で設立以降、140年に渡り同地でガラスを作り続けている企業だ。フィンランドはガラス製造に必要な木材、石英、水などの資源が豊富に揃っていたことから、スウェーデンの統治時代にガラス職人たちが移住し拠点としたのがその始まり。〈イッタラ〉は環境先進国・北欧諸国のなかでも、いち早くガラスの透明度を上げるための鉛を使用せず、環境や人の暮らしに配慮したガラスづくりを行ってきた。そう、〈イッタラ〉は古くからサスティナブルなスタイルを実践し続けているブランドなのだ。
そんな〈イッタラ〉の歴史を象徴するかのようなアイコンが、〈イッタラ表参道ストア&カフェ〉に登場している。天井から吊り下げられた、木の幹を模したガラスの照明。デザインを担当した隈氏のリクエストに応えるべく、イッタラ工場の職人(ブロワー)たちが何度も試行錯誤を重ねながら完成させた力作だ。
店内に一歩足を踏み入れると、フィンランドの自然界を思わせる意匠が随所に見られると同時に、どこか日本らしさも感じられる。わずかな合間をぬって同店を訪れた隈氏に話を聞いてみた。
●隈研吾さんに聞く、フィンランドと〈イッタラ〉、デザインのこと。
―フィンランドという国、そして〈イッタラ〉というブランドについての印象を教えて下さい。
もともとフィンランドというと、〈イッタラ〉ともゆかりのある建築家のアルヴァ・アアルトに同志のような親近感を覚えていたし、仕事でも度々訪れたことがあったので非常に馴染みのある存在でしたね。アアルトの別荘に滞在して、サウナに入ってそのあと湖に飛び込むことも何回も体験していますよ。それに20代の頃からアイノ・アアルトのグラスを使っていて、40年くらい経った今でも割れずに使い続けている。僕が持つ道具のなかでも、1番長く使っているものじゃないかな。〈イッタラ〉のことは当然知っていたし、ガラス製品のなかでも〈イッタラ〉の手にかかると、フィンランドらしい優しさが生まれるな、という印象がありました。
もともとフィンランドというと、〈イッタラ〉ともゆかりのある建築家のアルヴァ・アアルトに同志のような親近感を覚えていたし、仕事でも度々訪れたことがあったので非常に馴染みのある存在でしたね。アアルトの別荘に滞在して、サウナに入ってそのあと湖に飛び込むことも何回も体験していますよ。それに20代の頃からアイノ・アアルトのグラスを使っていて、40年くらい経った今でも割れずに使い続けている。僕が持つ道具のなかでも、1番長く使っているものじゃないかな。〈イッタラ〉のことは当然知っていたし、ガラス製品のなかでも〈イッタラ〉の手にかかると、フィンランドらしい優しさが生まれるな、という印象がありました。
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illustration Yoshifumi Takeda
小西亜希子
こにし あきこ 1990年代後半からミッドセンチュリー、北欧デザインを専門としたインテリア業界にて活動。MD、商品開発、PR、企画、VMDから、ブランドディレクションまでこなす。著書に『カイ・フランクへの旅』(グラフィック社)。
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