DESIGN
山口・宇部の〈ときわ遊園地〉で光が織りなすメディアアートと遊ぼう!
December 19, 2020 | Design, Art, Culture, Travel | casabrutus.com | text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano photo & movie_Satoshi Nagare
レトロでかわいい山口県・宇部の遊園地に光のメディアアートが出現! 5組のアーティストが宇部で見たこと、感じたことを作品にしました。冬の夜が暖かくなるイベントです。
山口県宇部市の〈ときわ遊園地〉は〈ときわ公園〉の中にある施設。1958年に開館した、半世紀以上の歴史を持つ遊園地だ。この遊園地で毎冬行われているライトアップイベント『TOKIWAファンタジア』は市民参加型のイルミネーションイベント。市民や企業から募集したイルミネーションが遊園地のそこここに置かれて、冬の夜を華やかに彩る。
今年は従来のイルミネーションに加えて、5組のアーティストが光のアートを『TOKIWAファンタジア 2020』にて発表している。それぞれに宇部の歴史や自然を反映した作品だ。
今年は従来のイルミネーションに加えて、5組のアーティストが光のアートを『TOKIWAファンタジア 2020』にて発表している。それぞれに宇部の歴史や自然を反映した作品だ。
クワクボリョウタ《残像》。移動する光点は、左から右に向かって、ゆっくりと横棒を押す人の膝や手、肘、頭などを表す。フランスのアーティスト、レミ・ブランが開発した技術を使っている。
鉄道模型を使い、光源を移動させて影の変化を楽しむアートで知られるクワクボリョウタの今回の作品は「南蛮車(なんば)」と呼ばれる機械をモチーフにしている。宇部はかつて炭鉱で栄えた街だが、「南蛮車」は地下から石炭を掘り出すのに使われた人力の捲きあげ機だ。4人前後の人が棒を押して太い棒を回転させ、その棒に巻き付けた縄と滑車で地下から石炭や水を捲きあげる。江戸時代末期に発明されたこの機械のおかげで、採炭の効率が大幅にアップしたのだそう。
クワクボの作品ではうねうねしたチューブを移動していく光の点を見ていると、「南蛮車」を押す人の姿になる。重い棒を押しているからみんな前のめりになって、一歩一歩地面を踏みしめながら歩いていく。
「普段、僕は影で作品を作っていますが、今回は光を使いました。歴史には光と影があって、その両義性を知ることで郷土愛が育まれるのではないかと思っています」(クワクボリョウタ)
「普段、僕は影で作品を作っていますが、今回は光を使いました。歴史には光と影があって、その両義性を知ることで郷土愛が育まれるのではないかと思っています」(クワクボリョウタ)
夜になると遊園地の建物が目覚めて、勝手におしゃべりを始める。そんな楽しいアートを作ったのが髙橋匡太だ。向かい合う「観覧車」と「呪われた城」に巨大な顔が現れて語りだし、互いに悩みを打ち明けたりケンカしたりする。ストーリーは4部構成になっていて、2週間ごとに入れ替わる。
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