ホンマタカシ〈BALENCIAGA AOYAMA〉東京の風景をインテリアに取り込むストア。
『カーサ ブルータス』2021年1月号より
December 9, 2020 | Design, Architecture, Fashion | PR | photo_Takashi Homma text_Jun Ishida
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11月、南青山のみゆき通り沿いにリオープンした〈BALENCIAGA AOYAMA〉。周囲の景色が、店内のレイヤーとなったガラス面に映り込む。
建物のファサード(サッシ)がレイヤー状に設置された店内。内部には形が微妙に異なる3種類のサッシが設置され、床面もコンクリートのインターロッキングブロック舗装からゴムチップ舗装、カーペットへと、外部に用いられる素材から室内のものに変化していく。
さらに店内にはストリートファニチャーに着想を得たベンチを置き、屋外の雰囲気を演出。外の景色がガラス面に映り込み、内外の境界は虚になる。
グレーのグラデーションで構成される1階の空間。ファサードと対になったガラス壁と両端のミラー壁により、空間が無限に続くような感覚を覚える。サッシと棚の直線的なラインは空間をシャープに演出し、棚はビルの外装などによく用いられるアルミの押出形材で作られている。
アクセサリー類を展示するケースにはグラフィティのようなスプレーペイントが施されていて、アートワークの印象を与えている。
ベルベットのカーテンを仕切りに用いた地下。ダメージ加工を施しガラス窓に飾ることで、アートワークのように見せる仕掛けだ。左奥に覗くのはフィッティングルーム。
サッシを斜めに配置することによりガラスの反射が複雑になり、思わぬ景色が映り込む。
バレンシアガのロゴの入った赤い絨毯が印象的な2階。椅子はヨーロッパの公園にあるようなシンプルなデザインの椅子にベルベットを張ることでエレガントに見えるというアイロニー。