DESIGN
窓に焦点を当てた展覧会『窓展』が、いのくまさんの美術館でも開催!
September 25, 2020 | Design, Art | casabrutus.com | text_Ai Sakamoto editor_Keiko Kusano
昨秋から今年はじめにかけて〈東京国立近代美術館〉で開催され、好評を博した『窓展:窓をめぐるアートと建築の旅』が、香川県の〈丸亀市猪熊弦一郎現代美術館〉へと巡回。時代やジャンルを超えた“窓にまつわる作品”が一堂に会する。
窓は文明であり、文化であるーーこの考えの下、窓を学問的に研究する活動「窓学」の10年以上にわたる蓄積と、その総合監修を務める建築史・建築批評家、五十嵐太郎(東北大学教授)の学術協力により実現した『窓展:窓をめぐるアートと建築の旅』。絵画、写真、版画、映像、インスタレーション、著名建築家によるドローイングなど、時代やジャンルを越えた“窓にまつわる作品”約100点を11の章に分けて紹介する。
一口に窓と言っても、その解釈や表現はさまざまだ。内と外を物理的・心理的に隔てるもの、もしくはその逆に双方をつなぐものとして具体的な窓が出てくる作品もあれば、パウル・クレーの《花ひらく木をめぐる抽象》のようにキャンバスに描かれた四角や格子が窓を想起させる抽象絵画や、テレビやパソコンのスクリーンを窓に見立てた映像作品も。
いつの時代も、アーティストの創作意欲を掻き立ててきた窓。ヨーロッパでは、600年も前から「絵画は窓と親戚関係にある」と言われてきたという。壁に開けられた窓と、額縁の中の絵画。どちらも四角いフレームの中に、今いる場所とは違う世界を映し出す装置として機能しており、そのモチーフは現代アートや写真、映像にも引き継がれている。
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