DESIGN
スティーブ・ハリソンのデスクを彩る文具たち。
『カーサ ブルータス』2020年10月号より
September 15, 2020 | Design, Art | a wall newspaper | photo_Liz Seabrook text_Megumi Yamashita editor_Yuka Uchida
孤高の陶芸家が話題の文具店とコラボレーション。茶道具さながらの文具が創るデスクという小宇宙。
燃え盛る窯に塩を投じて焼き上げるソルトグレーズ製法で知られるイギリスの陶芸家、スティーブ・ハリソン。外出には茶器セットを持ち歩き、作るものも基本は茶器という無類のお茶好き。そんな彼が同様のこだわりを持って作ったペンやインク壺、虫眼鏡やブックエンドなどを展示販売する作品展『デスク』が、ロンドンの文具店〈チュージング・キーピング〉で開催になる。
こちら店主のジュリア・ジュヴェルにとってスティーブはメンター的存在。2年前に店をオープンする際も彼にアドバイスを求め、店のドアノブやテーブルなどは彼が手がけたものだ。この頃からゆっくり進行していた二人のコラボレーションがようやく実った形になる。
「マジョルカ島にあるイギリスの詩人で小説家、故ロバート・グレーヴス家の書斎のデスクや備品の美しさにインスパイアされて、店主のジュリアと構築しました。書き物の道具はお茶の道具に似ています。美しいペンにインクをつけながら書くのと、ボールペンで書くのとでは、当然心の有り様が異なり、書かれる内容にも影響するでしょう。デスクはいわば小宇宙なのです」と言うスティーブは、陶の部分だけでなく、彫金部なども自分で制作している。
ペンなどの袋は茶杓の袋をヒントに着物の古布で妻のジュリアさんが縫い上げたとか。「これが最初で最後」という渾身作は垂涎ものだが値段も高め。まずはマイデスクに宇宙を夢想するところから始めてみる?
こちら店主のジュリア・ジュヴェルにとってスティーブはメンター的存在。2年前に店をオープンする際も彼にアドバイスを求め、店のドアノブやテーブルなどは彼が手がけたものだ。この頃からゆっくり進行していた二人のコラボレーションがようやく実った形になる。
「マジョルカ島にあるイギリスの詩人で小説家、故ロバート・グレーヴス家の書斎のデスクや備品の美しさにインスパイアされて、店主のジュリアと構築しました。書き物の道具はお茶の道具に似ています。美しいペンにインクをつけながら書くのと、ボールペンで書くのとでは、当然心の有り様が異なり、書かれる内容にも影響するでしょう。デスクはいわば小宇宙なのです」と言うスティーブは、陶の部分だけでなく、彫金部なども自分で制作している。
ペンなどの袋は茶杓の袋をヒントに着物の古布で妻のジュリアさんが縫い上げたとか。「これが最初で最後」という渾身作は垂涎ものだが値段も高め。まずはマイデスクに宇宙を夢想するところから始めてみる?
Steve Harrison’s “DESK” Series
スティーブ・ハリソン
1967年生まれ。英国人陶芸家。ロンドンの自邸庭のスタジオで作陶、ウェールズの田舎の窯でソルトグレーズ製法で焼き上げる独特の作風が特徴。日本では〈アーツ&サイエンス〉〈ギャラリー久我〉で作品を取り扱っている。
1967年生まれ。英国人陶芸家。ロンドンの自邸庭のスタジオで作陶、ウェールズの田舎の窯でソルトグレーズ製法で焼き上げる独特の作風が特徴。日本では〈アーツ&サイエンス〉〈ギャラリー久我〉で作品を取り扱っている。
〈Choosing Keeping〉
製品はすべて日本からでもネット購入可。展覧会『デスク』9月11日〜18日。
21 Tower Street London WC2H 9NS TEL (44) 20 7613 3842。10時30分〜17時30分。日曜休。