DESIGN
京都の伝統技法と、現代の手仕事が融合する〈小川珈琲〉の旗艦店。
『カーサ ブルータス』2020年10月号より
| Design, Food | window on the world | photo_Masanori Kaneshita text_Housekeeper
昭和27年に創業した京都〈小川珈琲〉の旗艦店〈OGAWA COFFEE LABORATORY〉が東京・桜新町にオープン。クリエイティブディレクターは南貴之、内装デザインは関祐介率いるデザインチーム〈Yusuke Seki〉が手がけた。
空間中央には茶室のようなにじり口のある「蔵」をシンボルとして配置。その周りに浮造りのカウンターを回遊させ、キッチンと客席を緩やかにゾーニングすることで珈琲職人の所作を客席から見えるようにした。
「自然光の下でどう見えるかを意識した」という店内は、照明を極力抑えた陰影のある空間となっており、テーブルは木目が最も美しく見えるワラン材を採用。関が自ら調達し削った京都の廃線市電の敷石を、床材、机の重石、段差のステップに使っている。さらにカウンター下には茶室の「腰張り」を用いることで、モダンでありながらも京都の伝統的な美意識を表現した。古今の手仕事が凝縮した空間だ。
