DESIGN
美しい日用品、南部鉄器との暮らしとは?
July 17, 2020 | Design, Culture | casabrutus.com | photo_Takuya Suzuki Miwa Kumon text_Rie Nishikawa editor_Keiko Kusano
南部鉄器の名工、〈釜定〉の宮伸穂(みやのぶほ)が提案する道具が、書籍『南部鉄器のある暮らし 釜定の仕事』として発売に。釜定の120点もの商品を使い方やお手入れ方法とともに解説する。
400年の歴史を持つ、岩手を代表する工芸品、南部鉄器。お湯がまろやかになるという鉄瓶は何年待ちという人気ぶりで、鍋やフライパンなども料理研究家が愛用し、ライフスタイルショップで扱われる憧れの品だ。
盛岡にある〈釜定〉は、南部鉄器職人でありながらプロダクトデザイナーでもある3代目、宮伸穂が手がける現代的なデザインにファンが多い。そんな宮が語る南部鉄器の歴史や工房のヒストリーは興味深く、細かく複雑にわかれた製造工程にも驚愕させられる。
また南部鉄器を使ったレシピやバリスタ・三木隆真(KOFFEE MAMEYA)によるおいしいコーヒーの淹れ方、岩手大学名誉教授による南部鉄器でどのくらい鉄分が補給されるのかという研究などが掲載され、楽しく読めるのも特徴だ。
釜定の仕事、暮らしの道具として、約120点もの製品カタログは鉄瓶、羽釜、器など、種類ごとに分類され、見ているだけでうれしくなる。使い始めの慣らしをどうするのか、普段のお手入れや保存、さびが出た時の対処法など、実際に使う時に悩みそうなことが、種類ごとに細かく書かれているのも実用的だ。この書籍をプロデュースしたのが、鉄器も扱うインテリアショップ〈designshop〉の森博であることもその理由だろう。
読み進めていくうちに南部鉄器と暮したくなる、そんな1冊だ。
鍋にしようか、ケトルかな、さあ、何買おうかな。
読み進めていくうちに南部鉄器と暮したくなる、そんな1冊だ。
鍋にしようか、ケトルかな、さあ、何買おうかな。
『南部鉄器のある暮らし 釜定の仕事』
1,800円(青幻舎)。