CULTURE
建築家・荒木信雄に聞く、藤原ヒロシとのコンビニ作り|石田潤の In the mode
| Culture, Architecture, Fashion | casabrutus.com | text_Jun Ishida editor_Keiko Kusano
藤原ヒロシによるまったく新しい形のコンビニエンスストア〈ザ・コンビニ〉が、〈Ginza Sony Park〉に登場! 空間をデザインした荒木信雄に、藤原ヒロシとの店づくりについて聞いた。
8月9日、銀座に新たな街の“顔”となる〈Ginza Sony Park〉が誕生する。建て替えのため解体された〈ソニービル〉の跡地に、2020年秋までの期間限定でオープンする“公園”をコンセプトとした施設だ。地上面には植物が買える「アヲ GINZA TOKYO」や「トラヤのPOP upストア」など、普通の“公園”とは少々異なる施設が並び、「ローワーパーク」と呼ばれる地下4フロアにも、ここにしかないユニークな店舗や施設が登場する。中でも、目玉の一つは藤原ヒロシによる〈ザ・コンビニ〉だ。ルイ・ヴィトンをはじめ、さまざまなブランドとのコラボレーションで名を馳せる藤原ヒロシの“コンビニエンスストア”とは一体どんなものなのか? 空間を手がけた建築家の荒木信雄が、そのデザイン・コンセプト、そして藤原ヒロシとの店づくりについて語った。
Q そもそも〈Ginza Sony Park〉に“コンビニ”を作るというアイディアはどこから?
(藤原)ヒロシさんからです。〈Ginza Sony Park〉は、ジャンクション建築で、地下鉄や駐車場とつながっています。インフラに近いところにキオスクやコンビニエンスストア(以下コンビニ)はありますよね。もちろん公園にも。ヒロシさんの「場所にマッチングする」という嗅覚から生まれたアイディアだと思います。
(藤原)ヒロシさんからです。〈Ginza Sony Park〉は、ジャンクション建築で、地下鉄や駐車場とつながっています。インフラに近いところにキオスクやコンビニエンスストア(以下コンビニ)はありますよね。もちろん公園にも。ヒロシさんの「場所にマッチングする」という嗅覚から生まれたアイディアだと思います。
Q 藤原ヒロシさんとお店を作る際には、コンセプト作りから参加するのですか?
ケース・バイ・ケースですね。今回のように「コンビニやろうよ」と最初から決まっている場合と、「何やろうか」というところから始まる場合があります。ヒロシさんも僕も、その時の世の中の状況や周りの雰囲気を見ながら、既存のものをツイストして作るというやり方をよくやります。ゼロから作り出すのも面白いけれど、今はそのほうが面白いと思うんですよね。〈Ginza Sony Park〉は、世の中にある「公園」のレンジを広げることを目指しています。そういう中で、ヒロシさんが作るコンビニがどんな化学反応を生み出すのか、ソニーや他のテナントがやることも考慮してスタートしました。
ケース・バイ・ケースですね。今回のように「コンビニやろうよ」と最初から決まっている場合と、「何やろうか」というところから始まる場合があります。ヒロシさんも僕も、その時の世の中の状況や周りの雰囲気を見ながら、既存のものをツイストして作るというやり方をよくやります。ゼロから作り出すのも面白いけれど、今はそのほうが面白いと思うんですよね。〈Ginza Sony Park〉は、世の中にある「公園」のレンジを広げることを目指しています。そういう中で、ヒロシさんが作るコンビニがどんな化学反応を生み出すのか、ソニーや他のテナントがやることも考慮してスタートしました。
Q 荒木さんが藤原さんと作った最初のお店は?
〈READY MADE TOKYO〉(竣工1998年)ですね。ヒロシさんがその時に気になっていてやりたいことをやる、というのは当時から変わっていませんが、今は扱うものが広がっている。〈ザ・コンビニ〉では初めてお菓子も扱いますが、それもやりたかったことの一つだと思います。20年前はそこまで商材を広げる環境ではなかったのかもしれません。
〈READY MADE TOKYO〉(竣工1998年)ですね。ヒロシさんがその時に気になっていてやりたいことをやる、というのは当時から変わっていませんが、今は扱うものが広がっている。〈ザ・コンビニ〉では初めてお菓子も扱いますが、それもやりたかったことの一つだと思います。20年前はそこまで商材を広げる環境ではなかったのかもしれません。
Q 〈ザ・プール青山〉、〈ザ・パーキング銀座〉、〈ザ・コンビニ〉と、藤原さんは敷地がコンセプトを考える上でキーとなるプロジェクトが続いていますね。
空間が店の名前を規定するのは、ヒロシさんならではの感覚ですね。〈ザ・プール青山〉は、ヒロシさんに「青山にプールあるの、知ってる?」と聞かれたところから始まりました。僕は知らなかったのですが、そもそもプールでお店をやるという発想自体が面白い。その時からヒロシさんはプール三部作をやりたかったのだと思います。「プール」に始まり、「プール・バー」と「モーター・プール」。「プール・バー」は伊勢丹でやった〈ザ・プール青山〉のポップアップで実現し(2015年6月)、「モーター・プール」は〈ザ・パーキング銀座〉になりました。
空間が店の名前を規定するのは、ヒロシさんならではの感覚ですね。〈ザ・プール青山〉は、ヒロシさんに「青山にプールあるの、知ってる?」と聞かれたところから始まりました。僕は知らなかったのですが、そもそもプールでお店をやるという発想自体が面白い。その時からヒロシさんはプール三部作をやりたかったのだと思います。「プール」に始まり、「プール・バー」と「モーター・プール」。「プール・バー」は伊勢丹でやった〈ザ・プール青山〉のポップアップで実現し(2015年6月)、「モーター・プール」は〈ザ・パーキング銀座〉になりました。
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石田潤
いしだ じゅん 『流行通信』、『ヴォーグ・ジャパン』を経てフリーランスに。ファッションを中心にアート、建築の記事を編集、執筆。編集した書籍に『sacai A to Z』(rizzoli社)、レム・コールハースの娘でアーティストのチャーリー・コールハースによる写真集『メタボリズム・トリップ』(平凡社)など。
