CULTURE
【本と名言365】奈良美智|「自分が絵を描き続けるということは…」
February 26, 2024 | Culture, Art | casabrutus.com | photo_Miyu Yasuda text_Kentaro Wada illustration_Yoshifumi Takeda design_Norihiko Shimada(paper)
これまでになかった手法で新しい価値観を提示してきた各界の偉人たちの名言を日替わりで紹介。鋭い眼差しで見つめる子どもをモチーフに、数多くの作品を生み続けるアーティスト、奈良美智。世界の現代美術シーンで最前線に立ち続けてきた美術家の創作の原動力とは。
自分が絵を描き続けるということは自分としてそこに在ることを照らしてくれる灯なのだ。
1959年、青森県弘前市に生まれ、幼い頃から絵に親しんできた奈良美智。愛知県立芸術大学を卒業後にドイツへと留学。1991年、デュッセルドルフ国立アカデミー時に描いた赤い服の少女の絵画《Girl with a Knife in Her Hand》がその後の奈良の作風を方向づける一作となった。
封筒の裏に描いたドローイングに、巨大なペインティング、セラミックや金属による彫刻……素材もスケールもさまざまな奈良の作品。その原点にあるものを一言で言い尽くすのは難しい。豊かな自然に囲まれた環境で幼少期を過ごし、ロックやフォークなどの音楽にどっぷりと浸り、自由気ままに世界中を旅をする。まるで吟遊詩人のように生きる奈良のあらゆる体験や記憶が創作の出発点になっている。
「絵を描くようになって、また自分で自分を確かめるように、自分に語りかけるように顔を描いていく。だからやっぱり誰のためにではなく、自分のため。あるいは『絵に描かれるもののため』というのが一番近いかもしれない」
何か言いたげな表情で見つめる子ども、作品に散りばめられたスローガンやメッセージ。さまざまな感情を訴えかける作品は、奈良自身が自問自答を繰り返して生まれるもの。評価や名声を求めるのではなく、ただひたむきに自己と向き合い、絵を描き続けるその姿勢こそが、奈良の世界を唯一無二の存在にしている。
1959年、青森県弘前市に生まれ、幼い頃から絵に親しんできた奈良美智。愛知県立芸術大学を卒業後にドイツへと留学。1991年、デュッセルドルフ国立アカデミー時に描いた赤い服の少女の絵画《Girl with a Knife in Her Hand》がその後の奈良の作風を方向づける一作となった。
封筒の裏に描いたドローイングに、巨大なペインティング、セラミックや金属による彫刻……素材もスケールもさまざまな奈良の作品。その原点にあるものを一言で言い尽くすのは難しい。豊かな自然に囲まれた環境で幼少期を過ごし、ロックやフォークなどの音楽にどっぷりと浸り、自由気ままに世界中を旅をする。まるで吟遊詩人のように生きる奈良のあらゆる体験や記憶が創作の出発点になっている。
「絵を描くようになって、また自分で自分を確かめるように、自分に語りかけるように顔を描いていく。だからやっぱり誰のためにではなく、自分のため。あるいは『絵に描かれるもののため』というのが一番近いかもしれない」
何か言いたげな表情で見つめる子ども、作品に散りばめられたスローガンやメッセージ。さまざまな感情を訴えかける作品は、奈良自身が自問自答を繰り返して生まれるもの。評価や名声を求めるのではなく、ただひたむきに自己と向き合い、絵を描き続けるその姿勢こそが、奈良の世界を唯一無二の存在にしている。
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