CULTURE
【本と名言365】ジオ・ポンティ|「建築を愛しなさい」
September 4, 2023 | Culture | casabrutus.com | photo_Miyu Yasuda text_Yoshinao Yamada illustration_Yoshifumi Takeda design_Norihiko Shimada(paper)
これまでになかった手法で、新しい価値観を提示してきた各界の偉人たちの名言を日替わりで紹介。工業化と手仕事を両立した仕事でいまも人々の心を掴む建築家、ジオ・ポンティ。イタリアモダンデザインの父とも言われた彼が遺した言葉は、まさに私たちへの強いメッセージとも言えるでしょう。
建築を愛しなさい
ミラノの高層ビル〈ピレリビル〉をはじめとする建築、世界一軽い椅子と称される〈スーパーレジェーラ〉などの家具や工業製品に至るまで、生涯を通じ実に幅広いデザインを手がけたのがイタリアを代表する建築家のジオ・ポンティだ。
さらに彼は、陶磁器メーカー〈リチャード・ジノリ〉でアートディレクター、自ら創刊した建築デザイン誌『ドムス』で初代編集長を務めた。そんな彼の著書『建築を愛しなさい』は、自身の建築や家具などと同様に市井の人々に向けて書かれたものだ。前書きでポンティは「この本は建築家のための本ではなく 古今の建築に魅せられた人びとのための本です」という。
本書刊行時は存命中だったル・コルビュジエやミース・ファン・デル・ローエなどの建築家はもちろん、古代の建築まで遡りながら、あらゆる角度で建築の役割や意味、そして本質を説く。「建築をつくりましょう!建築をもってする以外にはできないものをつくりましょう!建築は外側は精密で緊密なものですが、内側は遊びと驚きに満ちた有機体です。外側は結晶ですが、内側は人生です!」といった文章はポエティックでいて、建築が目指すべきものを提示する名文といえる。
ポンティはヨーロッパにおける最初期の超高層ビルとなった〈ピレリビル〉で建築部材の工業化に挑み、ソレントのホテル〈パルコ・デイ・プリンチピ〉で、手仕事を活かした家具や床タイル、さらに造形的な複数のプールまで自らデザインした。同時代のモダニストが空間の抽象化を目指したのに対し、彼はさまざまな手法で味わいある豊かな建築を追求しつづけた。誰よりも建築を愛したポンティだからこそ、その洒脱な空間が生まれたのだ。
ミラノの高層ビル〈ピレリビル〉をはじめとする建築、世界一軽い椅子と称される〈スーパーレジェーラ〉などの家具や工業製品に至るまで、生涯を通じ実に幅広いデザインを手がけたのがイタリアを代表する建築家のジオ・ポンティだ。
さらに彼は、陶磁器メーカー〈リチャード・ジノリ〉でアートディレクター、自ら創刊した建築デザイン誌『ドムス』で初代編集長を務めた。そんな彼の著書『建築を愛しなさい』は、自身の建築や家具などと同様に市井の人々に向けて書かれたものだ。前書きでポンティは「この本は建築家のための本ではなく 古今の建築に魅せられた人びとのための本です」という。
本書刊行時は存命中だったル・コルビュジエやミース・ファン・デル・ローエなどの建築家はもちろん、古代の建築まで遡りながら、あらゆる角度で建築の役割や意味、そして本質を説く。「建築をつくりましょう!建築をもってする以外にはできないものをつくりましょう!建築は外側は精密で緊密なものですが、内側は遊びと驚きに満ちた有機体です。外側は結晶ですが、内側は人生です!」といった文章はポエティックでいて、建築が目指すべきものを提示する名文といえる。
ポンティはヨーロッパにおける最初期の超高層ビルとなった〈ピレリビル〉で建築部材の工業化に挑み、ソレントのホテル〈パルコ・デイ・プリンチピ〉で、手仕事を活かした家具や床タイル、さらに造形的な複数のプールまで自らデザインした。同時代のモダニストが空間の抽象化を目指したのに対し、彼はさまざまな手法で味わいある豊かな建築を追求しつづけた。誰よりも建築を愛したポンティだからこそ、その洒脱な空間が生まれたのだ。
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