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トーハクに極楽浄土が出現!?
| Art | casabrutus.com | photo_Yuji Ono text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
地獄などの六道から衆生を救う六観音に、釈迦と十大弟子が勢揃い! 寄る辺なき人々を救済してくれる「みほとけ」が〈東京国立博物館〉に集合しています。
「千本釈迦堂」の名で親しまれている、京都の〈大報恩寺〉は鎌倉時代の貴重な仏像でも知られている。慶派仏師の快慶、定慶、行快らによる名品だ。2020年に開創800年を迎えるのを記念して重要文化財の「六観音菩薩像」を始めとする気品ある仏像の数々が、東京にお出ましになっている。
展覧会では、寺では年に数回しか公開されない本尊の行慶作「釈迦如来坐像」を拝むことができる。さらにその釈迦如来と、寺内では別々に安置されている、晩年の快慶作の釈迦の10人の弟子「十大弟子立像」とが勢揃いする。さらに、もう一つの見どころ「六観音菩薩像」は台座や光背を含めて6躯すべてが残る、レア度の高いもの。運慶の弟子、肥後定慶の手による傑作だ。
展覧会では、寺では年に数回しか公開されない本尊の行慶作「釈迦如来坐像」を拝むことができる。さらにその釈迦如来と、寺内では別々に安置されている、晩年の快慶作の釈迦の10人の弟子「十大弟子立像」とが勢揃いする。さらに、もう一つの見どころ「六観音菩薩像」は台座や光背を含めて6躯すべてが残る、レア度の高いもの。運慶の弟子、肥後定慶の手による傑作だ。
「六観音菩薩像」とは、如意輪観音や千手観音、馬頭観音など6つの姿に変化した観音菩薩のこと。六道のどこにいても救済の手をさしのべてくれる。六道とは、天から地獄まである6つの世界であり、あらゆる生き物はこの6つの世界を生まれ変わり続ける(輪廻する)とされる。
地獄はもちろん、天に生まれても病や死といった苦痛を逃れることはできない。観音の救いを得てこの六道の輪廻から解脱をめざすのが天台宗、真言宗といった宗派だ。肥後定慶作の六観音は塗りも箔も施されていないが、優美な立ち姿や緻密な彫りは他に類を見ない。
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