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中谷芙二子さん、高松宮殿下記念世界文化賞受賞おめでとうございます!
| Art | casabrutus.com | Courtesy of Fujiko Nakaya text_Naoko Aono
大地に “霧の彫刻” を出現させるアーティスト、中谷芙二子が今年の高松宮殿下記念世界文化賞の彫刻部門を受賞! 10月の授賞式に先立って速報をお届けします。
高松宮殿下記念世界文化賞は1988年に創設された文化賞。毎年、絵画、彫刻、建築、音楽、演劇・映像の5部門で文化芸術の発展に寄与した世界の芸術家に贈られる。建築ではこれまでに丹下健三や安藤忠雄、フランク・ゲーリー、オスカー・ニーマイヤーらが、絵画では杉本博司やダニエル・ビュレン、彫刻では三宅一生、アニッシュ・カプーアらが受賞してきた。
今回、彫刻部門で受賞した中谷芙二子は “霧のアーティスト” として知られる。1970年、大阪万博ペプシ館でパビリオンを人工の霧で包んで以来、世界各地で霧のアートを発表してきた。一時的に設置されるものが多いが、〈国営昭和記念公園こどもの森〉の《霧の森》などのように恒久設置されているものもある。高圧ポンプと独自に開発した微粒子ノズルによって発生させた霧は風などの気象条件や地形、樹木など周囲の環境によって刻々と姿を変える。
「大気が鋳型になって、霧が気象条件によってリアルタイムで常に変化していく彫刻です。条件が変わると消えていくところが気に入っている」と中谷は言う。
今回、彫刻部門で受賞した中谷芙二子は “霧のアーティスト” として知られる。1970年、大阪万博ペプシ館でパビリオンを人工の霧で包んで以来、世界各地で霧のアートを発表してきた。一時的に設置されるものが多いが、〈国営昭和記念公園こどもの森〉の《霧の森》などのように恒久設置されているものもある。高圧ポンプと独自に開発した微粒子ノズルによって発生させた霧は風などの気象条件や地形、樹木など周囲の環境によって刻々と姿を変える。
「大気が鋳型になって、霧が気象条件によってリアルタイムで常に変化していく彫刻です。条件が変わると消えていくところが気に入っている」と中谷は言う。
“環境彫刻” と呼ばれることもある中谷のアートの背景には、父の中谷宇吉郎の存在がある。世界で初めて人工的に雪の結晶を作ることに成功した物理学者だ。温度や湿度によってさまざまな形となる雪の結晶を研究した彼は「雪は天から送られた手紙である」という有名な一節を残している。
「自然に寄り添い、リスペクトし、自然が語るものに耳を傾ける。そういった作法のようなものを父から学んだと思う」(中谷)
中谷によれば、「科学的には霧と雲は同じもの」なのだそうだ。
「どちらも水分の蒸発と凝結のプロセスを、バランスをとりながら進めていて、地についていると霧、空に浮かんでいると雲になる。自然界でそのバランスが崩れると大変なことになるんです」
「自然に寄り添い、リスペクトし、自然が語るものに耳を傾ける。そういった作法のようなものを父から学んだと思う」(中谷)
中谷によれば、「科学的には霧と雲は同じもの」なのだそうだ。
「どちらも水分の蒸発と凝結のプロセスを、バランスをとりながら進めていて、地についていると霧、空に浮かんでいると雲になる。自然界でそのバランスが崩れると大変なことになるんです」
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