ART
チームラボの「ボーダレス」なミュージアム開館。時間も空間も忘れます!
| Art | casabrutus.com | text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
触ったり踏んだりすると水や花や蝶が動きを変える。自分の描いた絵が泳ぎ出す。目で身体で味わえるチームラボの巨大ミュージアムは、これまでのミュージアムとはまったく違う体験ができます。
チームラボと森ビルが共同で運営するミュージアムがオープンする。10,000平方メートルもある空間が丸ごとチームラボの作品だ。これまでチームラボは個展・グループ展で作品を発表してきた。海外では常設展示作品もある。6月21日、東京・お台場にオープンする〈チームラボ ボーダレス〉は、これまでに発表した作品に世界初公開作品も加わった、彼らにとって初めての常設ミュージアムになる。
「人々のための岩に憑依する滝、小さきは大きなうねりとなる」。岩に滝がゆっくりと流れ落ちる映像インスタレーション。立ち止まっていると足元の花は散り、滝の水は分かれて流れる。
チームラボは「ウルトラテクノロジスト集団」を標榜する、アーティスト・デザイナー・数学者・社会学者などさまざまな職能の人々から成り立つチーム。代表の猪子寿之らを中心に、2001年に設立された。〈チームラボボーダレス〉は彼らが探求してきたデジタルアートをまとめて楽しめる場だ。
ミュージアムといってもきちんと並ぶ作品を順番に見ていく、というものではない。中に入ると床にも壁にも花や蝶やいろいろなものがうごめいていて、どこからどこまでがこの作品、というように作品の間の区切りはない。観客が部屋から部屋へと歩いていくうちに自然と次の作品に移っている。
ある部屋で生まれた蝶はモニタの中に入ったかと思うとその枠から飛び出て、花が咲き乱れる隣の部屋へと飛んでいく。光るカラスは部屋から部屋へと自由に飛び回っている。ホログラムで踊る人々も楽しげに踊りながら部屋を出て行って、別のところから来た動物と出合う。作品同士の壁がない“ボーダレス”なミュージアムなのだ。
「地形の記憶」「Animals of Flowers, Symbiotic」「追われるカラス、追うカラスも追われるカラス」。カラスや花でできた動物など、それぞれの部屋から出てきた作品群が廊下で出会う。触ると動物が振り向いたり、蝶が落ちてしまったりする。
「作品が他の部屋の作品と出合ってコミュニケーションをとり、混ざったりする。作品が行った先の作品を追い出したり、戻れ、って言われて追い返されたり(笑)」(チームラボ代表・猪子寿之)
作品が観客に積極的にからんでくるのもこのミュージアムの特徴だ。観客が立ち止まっていると身体の表面にさなぎが現れ、蝶になって飛んでいく。立ち止まるとその足元で花が散り、水の流れが別れていく。触ると振り向いたり、逃げていく動物も。作品と観客の間もボーダレスだ。
「境界のないアート群による一つの世界を作りたい」と猪子は言う。
「境界のないアート群による一つの世界を作りたい」と猪子は言う。
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