ART
幅允孝さん、『ONE PIECE』はアートですか?
『カーサ ブルータス』2024年12月号より
November 13, 2024 | Art, Culture | a wall newspaper | photo_Shintaro Tohyama text_Hikari Torisawa
『「ONE PIECE ONLY」展』を企画した岡本正史と『ONE PIECE』をこよなく愛する幅允孝が語り合う。
誰もが知るマンガを主題に、「誰も見たことがない」光景に出会える展覧会が開催中だ。コミックス発行部数が5億1000万部を超え、単一作家によるコミックシリーズとして、世界最多発行作品のギネス記録を持つ『ONE PIECE』。広く、長く、深く愛される作品がどう作られるのかを体感させる『「ONE PIECE ONLY」展』を、ブックディレクター幅允孝が訪ねた。
「コミックスの全ページをこんな形で見れるとは!」と、140m続く壁面にまず圧倒される。
「これね、コミックスのページを一枚ずつ手で貼ってるんですよ」と話すのは、〈PLAY! MUSEUM〉と協働してこの展覧会の構成とキュレーションを手がける岡本正史。
「連載1000話×コミックス100巻を記念して、『ONE PIECE』がどうやって作られているのかをきちんと記録しようと、プロジェクトが始動しました」(岡本)
「コミックスの全ページをこんな形で見れるとは!」と、140m続く壁面にまず圧倒される。
「これね、コミックスのページを一枚ずつ手で貼ってるんですよ」と話すのは、〈PLAY! MUSEUM〉と協働してこの展覧会の構成とキュレーションを手がける岡本正史。
「連載1000話×コミックス100巻を記念して、『ONE PIECE』がどうやって作られているのかをきちんと記録しようと、プロジェクトが始動しました」(岡本)
尾田栄一郎がコマを割り、構図やセリフも配した鉛筆描きのネームと、黒々と力強いペン入れが施された原画は、第1000話の17枚をセットで展示。執筆から製版、印刷、造本までのプロセスを、樹脂版や校正紙などで魅せる。
「ジャンプ本誌は、今も活版輪転印刷で刷られていますが、製版フィルムと樹脂版はデータから直接刷版を作るCTPに、文字も写植からデジタルに置き換わっています。1970年代頃まで主流だった亜鉛版や金属活字の技術も見てもらおうと、改めて版を作って展示しています」(岡本)
「かつての技術にも光を当て、マンガ印刷の歴史を見せてくれるんですね。宝箱のような什器に収められているのが素敵です」(幅)
「ジャンプ本誌は、今も活版輪転印刷で刷られていますが、製版フィルムと樹脂版はデータから直接刷版を作るCTPに、文字も写植からデジタルに置き換わっています。1970年代頃まで主流だった亜鉛版や金属活字の技術も見てもらおうと、改めて版を作って展示しています」(岡本)
「かつての技術にも光を当て、マンガ印刷の歴史を見せてくれるんですね。宝箱のような什器に収められているのが素敵です」(幅)
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