ART
建築家・陶芸家の奈良祐希が、淡路島〈禅坊 靖寧〉で新作個展を開催。
July 27, 2023 | Art, Architecture | casabrutus.com
建築家・陶芸家の奈良祐希の新作個展が、淡路島にある坂 茂設計の絶景宿〈禅坊 靖寧〉で開催。淡路島の大自然に融け込む展示方法も見どころです。
小誌2022年8月号「日本の絶景宿」特集の表紙でもご紹介した、淡路島の〈禅坊 靖寧〉。大自然に囲まれて禅体験ができる宿として、坂 茂の設計で同年誕生した。その2階「空中座禅道場」で、建築家・陶芸家、奈良祐希の新作個展が2023年8月6日まで開催中だ。展覧会名の『samādhi』はサンスクリット語で「瞑想」の意。代表作の《Bone Flower》と、淡路島の神秘的な大自然からインスピレーションを受けた最新作を含む全19点を公開し、作品を眺めながら自然と静かに対峙できる展示となっている。
奈良は建築家であるとともに、350年続く大樋焼十一代大樋長左衛門を父にもつ陶芸家でもある。代々継承された名窯「大樋焼(おおひやき)」の土と磁土を混ぜ、3DCADやプログラミングなどの最先端テクノロジーと掛け合わせる陶芸作品で知られている。
今回の展示にあたり、「坂さんの建築とどう対話するかがまずテーマにありました」と奈良。
「これまで自分の作品を展示するとき、展示会場となる建築や自然の環境と、自身の作品がどう対話しているかを意識してきました。今回の〈禅坊 靖寧〉は建築という人工物を自然の中に置き、対比させることで敢えて自然を際立たせるという設計コンセプトがあります。実際に入ると、周囲は見渡す限りの大自然。自分が建築の中にいることを忘れてしまうような空間です。そこにインスパイアされたのが新作《Bone Flower_Nest》です。
初めて淡路島を訪れたとき、雄大な自然の中で巣作りをしている野鳥を見つけました。幾重にも枝が交差してできた頑丈で計算された構造体の中に、卵や子ども、または生きる上で大切なものを入れ込む、その現象の旅路に出会ったときにアイデアを思いついたのです。代表作《Bone Flower》を入れ子構造にすることで、作品を有機的にさせ、そこから生まれる作品自体の『揺らぎ』が大自然に対峙できると思いました」
今回の展示にあたり、「坂さんの建築とどう対話するかがまずテーマにありました」と奈良。
「これまで自分の作品を展示するとき、展示会場となる建築や自然の環境と、自身の作品がどう対話しているかを意識してきました。今回の〈禅坊 靖寧〉は建築という人工物を自然の中に置き、対比させることで敢えて自然を際立たせるという設計コンセプトがあります。実際に入ると、周囲は見渡す限りの大自然。自分が建築の中にいることを忘れてしまうような空間です。そこにインスパイアされたのが新作《Bone Flower_Nest》です。
初めて淡路島を訪れたとき、雄大な自然の中で巣作りをしている野鳥を見つけました。幾重にも枝が交差してできた頑丈で計算された構造体の中に、卵や子ども、または生きる上で大切なものを入れ込む、その現象の旅路に出会ったときにアイデアを思いついたのです。代表作《Bone Flower》を入れ子構造にすることで、作品を有機的にさせ、そこから生まれる作品自体の『揺らぎ』が大自然に対峙できると思いました」
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