ART
2つの巨大な壁が作り出す、ヴォルフガング・ティルマンスの視点と世界。
April 19, 2023 | Art, Fashion | casabrutus.com | photo_Jérémie Souteyrat / Louis Vuitton text_Jun Ishida Fondation Louis Vuitton, Paris ©Wolfgang Tillmans
〈エスパス ルイ・ヴィトン東京〉にて開催中の、ヴォルフガング・ティルマンスの個展『MOMENTS OF LIFE』。2つの壁がそびえ立つ空間に見出すものとは?
ホワイトボックスと化した〈エスパス ルイ・ヴィトン東京〉に出現した巨大な2つの壁。だが、そびえ立つ白い壁は空間を隔てることはない。わずかなズラしにより生まれた隙間から「こちら」と「向こう」が繋がっている。それはコロナ禍のもとに強いられた閉鎖的な日々からの抜け道を示唆するようにも、分断された世界に見出す希望のようにも思える。
『MOMENTS OF LIFE』と題されたヴォルフガング・ティルマンスの個展で展示されている作品は、2002年から20年にかけてのものであり、ここ数年で撮影されたものではない。しかし、彼の作品から何を読み取るかは、見るものの自由だ。会場に設置されたインタビュー映像で、ティルマンス自身もそう述べている。
スタジオの窓辺、あるいは滞在先のホテルの窓辺(2015年の大阪滞在時に撮影したものもある)と、ティルマンス作品には窓辺の景色がしばしば現れる。内と外の境界線にある空間には種々雑多なものが置かれ、その様は”メメント・モリ”を唱えた17世紀オランダの静物画を思い起こさせる。
スタジオの窓辺、あるいは滞在先のホテルの窓辺(2015年の大阪滞在時に撮影したものもある)と、ティルマンス作品には窓辺の景色がしばしば現れる。内と外の境界線にある空間には種々雑多なものが置かれ、その様は”メメント・モリ”を唱えた17世紀オランダの静物画を思い起こさせる。
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