ART
杉本博司がプロデュースした、 春日大社若宮の式年造替を祝う展覧会。
January 23, 2023 | Art, Design | casabrutus.com | text_Mari Matsubara editor_Keiko Kusano
奈良の春日大社の摂社である「春日若宮」で20年に一度、社殿を新しい状態に整える「式年造替」が行われた。国宝殿では神社のご神宝の他、杉本博司の春日信仰に関する蒐集品や新作が展示されている。
春日大社といえば、奈良・平城京の守護と人民の繁栄を祈願して奈良時代に創建された神社で、全国に3,000社以上ある春日神社の総本社だ。その100mほど南にある摂社、若宮社が2022年10月、約6ヶ月間にわたる社殿の塗り替えや修理を経て式年造替を完了した。20年に一度の慶事を祝って、春日大社国宝殿では神社に伝わる神宝をはじめ、春日信仰にまつわる名品を一堂に集めた特別展『杉本博司──春日神霊の御生(みあれ)御蓋山そして江之浦』が開かれている。全体のプロデュースを手がけたのは近年、春日大社と深い縁を結んだ現代美術作家の杉本博司だ。
アーティスト活動と並行して古美術蒐集を続けてきた杉本だが、いつしか蒐集品の3分の1を「春日もの」、つまり春日信仰にまつわる美術品が占めるようになったという。加えて、杉本が構想・設計し現在も拡張中の《江之浦測候所》に2022年春、春日大社から神様を勧請し、《甘橘山 春日社》を創建するまでに至った。
アーティスト活動と並行して古美術蒐集を続けてきた杉本だが、いつしか蒐集品の3分の1を「春日もの」、つまり春日信仰にまつわる美術品が占めるようになったという。加えて、杉本が構想・設計し現在も拡張中の《江之浦測候所》に2022年春、春日大社から神様を勧請し、《甘橘山 春日社》を創建するまでに至った。
そもそも春日大社は、神護景雲2年(768年)、常陸国の鹿島神宮からタケミカヅチノミコトが白鹿に乗って大和国御蓋山へ渡ったことを起源としている。常陸と大和を結ぶ直線上に江之浦が位置することから、その遷座の途中に神様は江之浦で休まれたに違いない、という杉本の仮説が《甘橘山 春日社》建立のきっかけだった。
今回の展覧会では杉本が蒐集し現在は公益財団法人小田原文化財団が所蔵する春日系古美術と杉本自身のアート作品、春日大社に伝わる国宝を含む貴重な神宝の数々、その他神奈川県立金沢文庫や興福寺、また個人などから出展された総点数92点の名品が展示されている(前後期で一部入れ替えあり)。
今回の展覧会では杉本が蒐集し現在は公益財団法人小田原文化財団が所蔵する春日系古美術と杉本自身のアート作品、春日大社に伝わる国宝を含む貴重な神宝の数々、その他神奈川県立金沢文庫や興福寺、また個人などから出展された総点数92点の名品が展示されている(前後期で一部入れ替えあり)。
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