ART
村上隆が注目するアーティスト、obによる4年ぶりの個展。
December 9, 2016 | Art | casabrutus.com | text_Mariko Uramoto editor_Akio Mitomi
当時18歳という若さで、村上隆が率いる〈カイカイキキギャラリー〉にて鮮烈な作家デビューを果たしたob。24歳となった彼女が約4年ぶりの個展を開催中だ。
淡く幻想的な世界に描かれた、どこか遠くを見つめる少女。そのぼんやりとした表情からさまざまな想像を掻き立てられるobの作品は、これまで具体的な背景描写がないものが多かった。デビューから6年経ち、その間に変化、成長を遂げた彼女は、今回の個展で「風景画によって自然と人間の共存の可能性を問いかけたい」と、行く先々で出会ったあらたな風景を「異物」として取り込み、成長していく少女を描く。
開催中の『狭間の舟』は、初となるエッチング作品とドローイングを中心に約30点を展示。人や動物との出会いによって「自分で行き先を決めたい」と気持ちを変化させる少女の様子を繊細に描き出す。
〈カイカイキキギャラリー〉で開催予定の『あわいにゆれる光たち』では、ペインティング約20点を展示するほか、2014年に行ったライブドローイングを生まれ変わらせたインスタレーションや初の映像作品も披露。
「過去と未来、夢と現実、人間と自然。そのような異質なものの狭間を乗り越え、何にも属さずに何にでも変化できる少女の自由さ、想像力、祈りを“あわい”という「なにかとなにかの間」を表す言葉に込めました」と話すobは、「少女というフィルターを通してみえてくる、自然の風景と実際の風景との違い、その揺らぎを感じてほしい」と続ける。
風景画によって自然と人間の共存の可能性を問いかけるobの新たな挑戦に期待したい。
開催中の『狭間の舟』は、初となるエッチング作品とドローイングを中心に約30点を展示。人や動物との出会いによって「自分で行き先を決めたい」と気持ちを変化させる少女の様子を繊細に描き出す。
〈カイカイキキギャラリー〉で開催予定の『あわいにゆれる光たち』では、ペインティング約20点を展示するほか、2014年に行ったライブドローイングを生まれ変わらせたインスタレーションや初の映像作品も披露。
「過去と未来、夢と現実、人間と自然。そのような異質なものの狭間を乗り越え、何にも属さずに何にでも変化できる少女の自由さ、想像力、祈りを“あわい”という「なにかとなにかの間」を表す言葉に込めました」と話すobは、「少女というフィルターを通してみえてくる、自然の風景と実際の風景との違い、その揺らぎを感じてほしい」と続ける。
風景画によって自然と人間の共存の可能性を問いかけるobの新たな挑戦に期待したい。
あわいにゆれる光たち
〈Kaikai Kiki Gallery〉