ART
京都の歴史的建造物でブライアン・イーノの空間に浸る。
June 22, 2022 | Art, Architecture | casabrutus.com | photo_So Hasegawa text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
見ているといつの間にか変化する光のアート。空間を満たす複雑な音のインスタレーション。京都の歴史的建造物でブライアン・イーノのインスタレーションに浸れます。
ミュージシャンであり、アーティストであるブライアン・イーノはイギリスの地方都市、サフォークの出身。アートを学び、電球やテレビのモニタなどを使ったアート作品を制作していた。その一方でデヴィッド・ボウイやU2のプロデュースを手がけ、自らもソロやロバート・フリップとのコラボレーションでアルバムを発表。集中して聞くことも、聴き流すこともできる「アンビエント・ミュージック」の創始者としても知られている。
京都で開かれているイーノの個展『BRIAN ENO AMBIENT KYOTO』では5つのインスタレーションを体験できる。そのうちの一つ、《77 Million Paintings》は2006年に日本で初めて発表され、その後アップデートを繰り返しながら世界を巡回して大きな話題を集めた。今回は16年ぶりに日本で鑑賞できる機会になる。これは複数のモニターを組み合わせた画面に7700万の絵画が現れるというものなのだが、モニタ上のグラフィックはゆっくりと変化しており、いつ、どこが変化したのかが容易にはわからない。集中して見ていても気づかないうちについ先ほどとは全く違う絵柄となっていて驚かされることもよくある。人間の視覚と認識の間隙をつくような作品だ。会場では複数のソファが置かれ、ゆったりと寛ぎながら鑑賞することができる。
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