ART
葛飾北斎の名品が〈サントリー美術館〉と〈九州国立博物館〉に揃い踏み!
| Art | casabrutus.com | text_Midori Yamagata editor_Keiko Kusano
一昨年からパスポート査証欄のデザインに「冨嶽三十六景」が取り入れられた浮世絵師・葛飾北斎。世界的に評価が高い芸術家の浮世絵や肉筆画など珠玉の名作を展示する展覧会を〈サントリー美術館〉と〈九州国立博物館〉が同時開催。どちらにも足を運ばずにはいられない。
●〈サントリー美術館〉大英博物館のコレクションが登場!
〈サントリー美術館〉で行われる『大英博物館 北斎―国内の肉筆画の名品とともに―』は、大英博物館が所蔵する浮世絵を中心に北斎の軌跡を追う6章仕立ての構成。画壇登場から肉筆の美人画などで人気を得た北斎の還暦までが序章で、その後は彼が他界するまでの30年間に焦点を当てた作品と絵師の周辺へと進み、締めくくりは最晩年の肉筆画。
長年にわたって絵師の頂点に君臨した北斎が一見ポップとも思える独特な画風を確立していく過程や表現スタイルの変貌、そして絵師として目指した高みや思想、宗教観にも迫る。奥行きの深い作品群から見えてくるのは、老いてなお旺盛な創作意欲と飽くなきチャレンジ魂だ。
特に85歳ごろに描き始めたとされる「弘法大師修法図」(5月18日から6月12日展示予定)は、画狂老人卍と号していた晩年の最高傑作。西新井大師總持寺が所蔵する本作は年に一度の「北斎会」にのみ一般公開される掛け軸なので、この機会にぜひとも見たいもの。
『大英博物館 北斎―国内の肉筆画の名品とともに―』
〈サントリー美術館〉東京都港区赤坂9丁目7-4 東京ミッドタウン ガレリア3階。 2022年4月16日~6月12日。10時~18時(金・土曜は~20時)。※4月28日、5月2日~4日は20時まで開館。火曜休(ただし5月3日、6月7日は開館)。一般 1,700円。作品保護のため、会期中展示替えあり。
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