ART
クリストとジャンヌ=クロードによる、伝説のプロジェクトが蘇る。
August 24, 2016 | Art | casabrutus.com | text_Mariko Uramoto editor_Akio Mitomi
巨大な布などを使ったアートプロジェクトで有名なクリストとジャンヌ=クロード。彼らが1991年に茨城県とカリフォルニア州で行った、わずか18日間のアートプロジェクトの記録が展覧会となって水戸芸術館で復活します。
クリストとジャンヌ=クロードが1991年10月に行った「アンブレラ」は、茨城県常陸太田市から旧里美村に横断する水田地帯に1,340本の青い傘を、カリフォルニア州南部のカーン郡からロサンゼルス郡の砂漠地帯に1,760本の黄色い傘を18日間にわたって設置したプロジェクト。太平洋をはさんだ2つの地域に巨大な傘を出現させることで、それぞれの環境の違いや土地の使い方を比較する狙いがあった。傘とはいえ、1本の支柱は高さ6メートル、傘布は直径8.7メートルという巨大さ。それが3,000本以上用意されたのだから、その規模の壮大さに改めて驚かされる。
彼らの作品は「あまりにも大きすぎる」という性質上、誰も所有することができない。また、恒久的に存続させることが困難なため、必ず消えてしまう運命にある。限られた期間にしか観ることができないという希少性も注目され、当時日本では50万人、アメリカでは200万人もの人が現地に赴き、鑑賞を楽しんだ。
本展は、その「アンブレラ」をさまざまな視点から振り返るというもの。当時の様子をおさめた写真を展示するほか、クリストによるドローイングやコラージュ作品、傘本体のほか実際に使用された資材やスケールモデルなどを展示する。期間は10月1日から12月4日までだが、会期スタートから11月20日までは茨城県北地域の6市町で「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」が開催中。過去と現在を比較しながら、大自然を舞台にしたアートプロジェクトを振り返る機会となる。
彼らの作品は「あまりにも大きすぎる」という性質上、誰も所有することができない。また、恒久的に存続させることが困難なため、必ず消えてしまう運命にある。限られた期間にしか観ることができないという希少性も注目され、当時日本では50万人、アメリカでは200万人もの人が現地に赴き、鑑賞を楽しんだ。
本展は、その「アンブレラ」をさまざまな視点から振り返るというもの。当時の様子をおさめた写真を展示するほか、クリストによるドローイングやコラージュ作品、傘本体のほか実際に使用された資材やスケールモデルなどを展示する。期間は10月1日から12月4日までだが、会期スタートから11月20日までは茨城県北地域の6市町で「KENPOKU ART 2016 茨城県北芸術祭」が開催中。過去と現在を比較しながら、大自然を舞台にしたアートプロジェクトを振り返る機会となる。
クリストとジャンヌ=クロード<br>アンブレラ 日本=アメリカ合衆国1984-91
〈水戸芸術館現代美術ギャラリー〉