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夜の無人島で光と闇を楽しむアート|青野尚子の今週末見るべきアート

| Art | casabrutus.com | text_Naoko Aono   editor_Keiko Kusano

2019年に第一回が開かれた『Sense Island』が帰ってきました。普段は味わえない闇と光が出合うアート散歩が東京湾に浮かぶ無人島で楽しめます。

山上から一条の光が放たれる齋藤精一(Panoramatiks)《JIKU #004_v2022 SARUSHIMA》。砂浜にはNatura Machina(筧 康明/Mikhail MANSION/WU Kuan-Ju)《Soundform No.2》が設置されている。
山上から一条の光が放たれる齋藤精一(Panoramatiks)《JIKU #004_v2022 SARUSHIMA》。砂浜にはNatura Machina(筧 康明/Mikhail MANSION/WU Kuan-Ju)《Soundform No.2》が設置されている。
中﨑透《Red bricks in the landscape》。猿島を訪れた船のようなネオンの作品。
中﨑透《Red bricks in the landscape》。猿島を訪れた船のようなネオンの作品。
山上から一条の光が放たれる齋藤精一(Panoramatiks)《JIKU #004_v2022 SARUSHIMA》。砂浜にはNatura Machina(筧 康明/Mikhail MANSION/WU Kuan-Ju)《Soundform No.2》が設置されている。
中﨑透《Red bricks in the landscape》。猿島を訪れた船のようなネオンの作品。
横須賀の沖合に浮かぶ猿島は、東京湾では最大の無人島。国を守る要所として、幕末から明治にかけて台場や砲台施設が築かれた。今も島には当時の西洋式の技術を取り入れたれんが造りの遺構が残り、明治時代に建てられた発電所の建物は現役で使われている。
忽那光一郎《風速0 SR08》。飛行機の航跡を長時間露光で撮った写真。
忽那光一郎《風速0 SR08》。飛行機の航跡を長時間露光で撮った写真。
『Sense Island 感覚の島』は夜の島に上陸し、携帯電話やスマホを封印して暗闇の中を散策するアート・イベントだ。観客は自らの感覚を研ぎ澄まして猿島の自然や光のアートと向かい合う。プロデューサーはアブストラクトエンジンの齋藤精一。彼を含め、14組のアーティスト・パフォーマンスアーティストが参加している。
井村一登《mirror in the rough》。ガラスと鏡でできた石のようなオブジェ。
井村一登《mirror in the rough》。ガラスと鏡でできた石のようなオブジェ。
井村一登《Spherical Mirage》。360度カメラで景色を撮影し、ホログラムで立体化する。
井村一登《Spherical Mirage》。360度カメラで景色を撮影し、ホログラムで立体化する。
井村一登《mirror in the rough》。ガラスと鏡でできた石のようなオブジェ。
井村一登《Spherical Mirage》。360度カメラで景色を撮影し、ホログラムで立体化する。
猿島行きのフェリーは通常、冬期は15:30三笠桟橋発が最終だが、「Sense Island 感覚の島」の開催日は特別に16:50から18:15まで3便のフェリーが出る。鑑賞するには往復の乗船料・入島料・観覧料を含んだチケットを事前に購入する形になる。猿島に着いたら受付で携帯電話やスマホを封筒に入れ、封をする。闇の散策の始まりだ。

島ではあちこちで後藤映則の《飾音/Kazarioto》が出迎える。竹の枝を使ったオブジェは風が吹くと音を立てる。竹の枝はこの島に由来するあるものの形をしている。かつて、猿島には春日神社があった。そこに備える飾りを想定し、古来から神聖な植物とされてきた竹による飾りを作ったのだという。
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青野尚子の今週末見るべきアートillustration Yoshifumi Takeda

青野尚子

あおのなおこ  ライター。アート、建築関係を中心に活動。共著に『新・美術空間散歩』(日東書院新社)、『背徳の西洋美術史』(池上英洋と共著、エムディエヌコーポレーション)、『美術でめぐる西洋史年表』(池上英洋と共著、新星出版社)。

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