ART
リヒター、モネ、カプーア、ロニ・ホーン…〈ポーラ美術館〉のコレクションが集結!
February 8, 2022 | Art | casabrutus.com | text_Naoko Aono editor_Keiko Kusano
箱根の森の中に隠れるようにして建つ〈ポーラ美術館〉。開館20周年を記念する展覧会は「光」がテーマ。モネからリヒターまで、自慢のコレクションが並びます。
〈ポーラ美術館〉の収蔵品はポーラ創業家二代目の鈴木常司(1930~2000)が収集した作品がもとになっている。彼のコレクションは妻の誕生日に藤田嗣治のその名も《誕生日》という絵をプレゼントしたことから始まった。その後、多くの人にアートと箱根の自然をともに楽しんでもらいたいとの思いから、2002年9月に〈ポーラ美術館〉が開館する。
『ポーラ美術館開館20周年記念展 モネからリヒターへ ─ 新収蔵作品を中心に』展は2部構成になる。第1部では鈴木常司のコレクションと新収蔵品を合わせてテーマや時代、 作家ごとに作品が並ぶ。
ここでの新収蔵品作家の一人、ベルト・モリゾは印象派の数少ない女性作家だ。自身の一人娘の後ろ姿を描いた作品には情愛が溢れる。
ここでの新収蔵品作家の一人、ベルト・モリゾは印象派の数少ない女性作家だ。自身の一人娘の後ろ姿を描いた作品には情愛が溢れる。
30代で夭折した松本竣介は都市化、工業化が進む20世紀前半の街や人を叙情的に表現した。これらの作品が、同じく工業化する時代をキュビスムの手法も採り入れながら描いたレジェや、激動の大正期を生きた関根正二らの作品とともに並ぶ。
新収蔵された近現代美術による第2部での見どころは、戦後の国内外の抽象絵画だ。白髪一雄は吊したロープにぶら下がり、床に置いた紙やキャンバスに足で絵の具を塗り広げるパフォーマティブな作品で耳目を集める。欧米の作家ではキャンバスに絵の具を流したかに見えるモーリス・ルイスや、くっきりとした輪郭線と鮮やかな色が画面を埋め尽くすジャン・デュビュッフェらが登場する。
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