ART
国宝16点・重文32点! 蒔絵美術の粋が集まる展覧会、今春開催。
| Art, Design, Travel | casabrutus.com | text_Mari Matsubara editor_Keiko Kusano
漆を“ジャパン”と称するほどに世界を魅了する日本の漆芸。なかでも「蒔絵(まきえ)」の名品を集めた展覧会が〈MOA美術館〉で今春スタートする。
世界中に漆工や螺鈿細工は数あれど、「蒔絵」というジャンルは日本で独自に発展した。「蒔絵」とは、まず漆で絵や文様を描いたのちに金粉や銀粉を蒔いて漆の接着力によって定着させ、文様を浮き上がらせるという技法だ。
日本工芸の中でも、最も日本らしい技術ともいえる「蒔絵」の国宝・重要文化財クラスが〈MOA美術館〉、〈三井記念美術館〉、〈徳川美術館〉の3館で合わせて70件以上、総計約200点を展示する『大蒔絵展―漆と金の千年物語―』が、各館で時期をずらして開催される。まずは4月1日から静岡県熱海市の〈MOA美術館〉でスタート。
蒔絵の歴史は奈良時代にまでさかのぼるが、その技術が花開いたのは平安時代から。展覧会では、平安時代から現代に至るまで、時代の変遷とともに変わるデザインや技法に彩られた名品の数々を紹介する。
第1章では平安貴族たちが用いた調度品に蒔絵がほどこされていた様子を、国宝「源氏物語絵巻」などから見ていく。
日本工芸の中でも、最も日本らしい技術ともいえる「蒔絵」の国宝・重要文化財クラスが〈MOA美術館〉、〈三井記念美術館〉、〈徳川美術館〉の3館で合わせて70件以上、総計約200点を展示する『大蒔絵展―漆と金の千年物語―』が、各館で時期をずらして開催される。まずは4月1日から静岡県熱海市の〈MOA美術館〉でスタート。
蒔絵の歴史は奈良時代にまでさかのぼるが、その技術が花開いたのは平安時代から。展覧会では、平安時代から現代に至るまで、時代の変遷とともに変わるデザインや技法に彩られた名品の数々を紹介する。
第1章では平安貴族たちが用いた調度品に蒔絵がほどこされていた様子を、国宝「源氏物語絵巻」などから見ていく。
蒔絵の技法は平安後期に大和絵と結びついて、和様デザインが完成する。第2章の展示では特に経箱や袈裟箱など、寺社に奉納された蒔絵調度品の秀作が見ものだ。
そして第3章では鎌倉時代、絵柄を漆で立体的に盛り上げる「高蒔絵」技法の確立とともに多彩な表現が花開き、それを背景に発展した手箱の逸品を展示。続く4章では東山文化を背景に、御伽草子や能狂言など文学と蒔絵工芸のつながりに着目し、第5章では秀吉の聚楽第を中心に流行した高台寺蒔絵の名品を紹介する。
第6章では絢爛豪華な婚礼調度などに見られる江戸蒔絵や、琳派デザインの蒔絵、第7章では明治期の漆工の名人たちの作品を展示。最後の第8章では、現代の蒔絵師の逸品を展示する。
第6章では絢爛豪華な婚礼調度などに見られる江戸蒔絵や、琳派デザインの蒔絵、第7章では明治期の漆工の名人たちの作品を展示。最後の第8章では、現代の蒔絵師の逸品を展示する。
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