ART
バレンシアガも着目した新世代の造形作家・池内啓人とは!?
| Art, Culture, Design | casabrutus.com | photo_Masanori Kaneshita text_Mariko Uramoto
造形作家・池内啓人の大規模個展『IKEUCHI HIROTO EXHIBITION』が、〈MIYASHITA PARK〉の〈SAI Gallery〉で開催中。ガジェットにプラモデルなどのパーツを組み合わせることでアニメやSFの世界観を内包させたメタリックな造形作品は、バレンシアガの2022年春夏のキャンペーン・ビジュアルにも採用され話題となった。そんな池内と展覧会場を共に巡りながら、作品のモチーフや制作方法などについて聞きました。
メカ要素満載のヘッドセットやロボットスーツ、ガジェットなど。池内啓人のエキセントリックな作品は、SFや近未来映画の世界から飛び出してきたようなインパクトを放つ。池内が造形作家として活動を始めるきっかけとなったのが、大学の卒業制作で発表したジオラマ作品。パソコンやハードウェアなどのデジタルデバイスの内部を秘密基地に見立てたハイブリッドな作風が高い評価を得た。
その後、身体拡張ロボットを手がける企業〈スケルトニクス〉と共同制作したロボットスーツ《MPS-15sk:[MULTI]》を2015年に発表。クールでソリッドな外骨格型スーツはバレンシアガの2022年春夏のキャンペーン・ビジュアルに採用され、彼の存在は広く知られることになった。
その後、身体拡張ロボットを手がける企業〈スケルトニクス〉と共同制作したロボットスーツ《MPS-15sk:[MULTI]》を2015年に発表。クールでソリッドな外骨格型スーツはバレンシアガの2022年春夏のキャンペーン・ビジュアルに採用され、彼の存在は広く知られることになった。
《MPS-15sk:[MULTI]》に合わせるために作ったのが、プラモデルやデジタルデバイスを組み合わせたヘッドセット。これを機に池内は、VRゴーグルやGo Proなどのデジタルガジェットやプラモデルのパーツを自在に組み合わせたヘッドセットを多数手がけるようになる。
「《#1804》はコトブキヤの玩具シリーズ『ゾイド』の『バスタートータス』や『ゴジュラスキャノン』、『プテラスボマー』などを組みわせました。1つの作品に使うパーツはなるべく一貫性を持たせるようにしています」
「《#1804》はコトブキヤの玩具シリーズ『ゾイド』の『バスタートータス』や『ゴジュラスキャノン』、『プテラスボマー』などを組みわせました。1つの作品に使うパーツはなるべく一貫性を持たせるようにしています」
作品のモチーフやリファレンスには『ゾイド』の他、『ガンダム』や『スター・ウォーズ』など幼少期に熱中した作品や、制作時に感銘を受けた本や映画などの要素が多く反映されている。
「《#1603》は、2016年当時発売されたばかりのBluetooth用機器やVRヘッドセットと、『ガンダム』のプラモデルを組み合わせました。グレーとオレンジのカラーリングは、小説『叛逆航路』の表紙のイラストや、映画『第9地区』に登場するエイリアンの武器にインスパイアされています」
デコラティブなヘッドセット作りは、“人につけてもらいたい”という思いからスタートするという。
「《#1603》は、2016年当時発売されたばかりのBluetooth用機器やVRヘッドセットと、『ガンダム』のプラモデルを組み合わせました。グレーとオレンジのカラーリングは、小説『叛逆航路』の表紙のイラストや、映画『第9地区』に登場するエイリアンの武器にインスパイアされています」
デコラティブなヘッドセット作りは、“人につけてもらいたい”という思いからスタートするという。
「《#1603》を身長の低い人が装着したら、頭だけ巨大になってとても面白かったので、それを受けて《#1703》は身長の低い人が着けることを想定して縦に長く作ろうと思いました」
ヘッドセットの中央には日本の主力戦闘機《F-35 ライトニング Ⅱ》の模型が大胆にくっついている。
「SF小説『恋人たち』の表紙に描かれた生物『ヴォグ』のシルエットがこんなふうにのっぺりとしていて面白いんです。《#1703》は他にステルス戦闘機の《ホルテンHo229》や航空機の《F-117》を組み合わせています。その隣の《#1905》は、ロシアの航空機メーカー〈スホーイ社〉の戦闘機や映画『パシフィック・リム』に登場する『チェルノ・アルファ』のプラモデルを使いました」
ヘッドセットの中央には日本の主力戦闘機《F-35 ライトニング Ⅱ》の模型が大胆にくっついている。
「SF小説『恋人たち』の表紙に描かれた生物『ヴォグ』のシルエットがこんなふうにのっぺりとしていて面白いんです。《#1703》は他にステルス戦闘機の《ホルテンHo229》や航空機の《F-117》を組み合わせています。その隣の《#1905》は、ロシアの航空機メーカー〈スホーイ社〉の戦闘機や映画『パシフィック・リム』に登場する『チェルノ・アルファ』のプラモデルを使いました」
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