ART
世界初! レアンドロ・エルリッヒの《建物》シリーズが〈十和田市現代美術館〉の常設展示に。
December 12, 2021 | Art, Travel | casabrutus.com | text_Mari Matsubara editor_Keiko Kusano
〈Arts Towada〉プロジェクト10周年を記念して、〈十和田市現代美術館〉では常設作品の入れ替えを実施。エルリッヒの他にも塩田千春、名和晃平と話題作が続々と集結しています。
十和田市は、美術館前の官庁街通りで屋外展示も含めたプロジェクト〈Arts towada〉に2001年から取り組んできた。この中核施設として〈十和田市現代美術館〉は2008年に開館。続いて美術館向かい側の跡地にシンボルアートが設置され〈Arts towada〉は2010年に完成した。草間彌生をはじめとする様々な作品が点在し、アートに気軽に触れられる街並みになっている。
昨年、このプロジェクトが完成から10周年を迎えたことを機に、常設展示作品の入れ替えが行われた。2021年4月1日に塩田千春の《水の記憶》が館内に常設され、同タイミングで名和晃平の《PixCell-Deer#52》が寄託作品として公開に。そして、12月1日、レアンドロ・エルリッヒの《建物―ブエノスアイレス》が常設展示作品として新たに登場した。
昨年、このプロジェクトが完成から10周年を迎えたことを機に、常設展示作品の入れ替えが行われた。2021年4月1日に塩田千春の《水の記憶》が館内に常設され、同タイミングで名和晃平の《PixCell-Deer#52》が寄託作品として公開に。そして、12月1日、レアンドロ・エルリッヒの《建物―ブエノスアイレス》が常設展示作品として新たに登場した。
同作家の国内常設作品はこれまでに、〈金沢21世紀美術館〉の《スイミング・プール》、〈Kamu Kanazawa〉の《インフィニット・ステアケース》があったが、《建物》シリーズでは今回の〈十和田市現代美術館〉での常設展示が世界初の事例となった。高さ7m、幅6.26m、奥行き10.5mの作品は、45度の角度に設置されたミラーシートに作家の故郷ブエノスアイレスの建物のファサードが写り、視覚のトリックで観る者を惹きつける。作家はコロナ禍により来日が叶わなかったが、ベランダの黒い柵や窓枠などはアルゼンチンから輸送して作り上げた。
2017〜18年の〈森美術館〉における『レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル』では61万人もの観客を動員したが、その目玉(〈森美術館〉ではパリの建物を作品化)の同シリーズ作が十和田に恒久設置されたことで、今後ますます話題のスポットになりそうだ。ちなみに今回、この作品のためだけに新展示室が建設された。設計は〈十和田市現代美術館〉と同じく西沢立衛が手がけ、ハコの集合体という開館当時からの設計コンセプトを貫いている。
2017〜18年の〈森美術館〉における『レアンドロ・エルリッヒ展:見ることのリアル』では61万人もの観客を動員したが、その目玉(〈森美術館〉ではパリの建物を作品化)の同シリーズ作が十和田に恒久設置されたことで、今後ますます話題のスポットになりそうだ。ちなみに今回、この作品のためだけに新展示室が建設された。設計は〈十和田市現代美術館〉と同じく西沢立衛が手がけ、ハコの集合体という開館当時からの設計コンセプトを貫いている。
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